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ハルノヒザシ

「ちょっとそんな邪な顔してあんまり見ないでよ」
ふぁー気持ちいい、と隣でのびのびとお湯に使っている兄貴の白い身体。
水に揺らめくその身体を首筋から鎖骨、脇を通って乳首…と舐めるように見ていた俺の視線に兄貴はとっくに気付いていたらしい。
「露天風呂あるって。行ってみよ」
ざばっとお湯から立ち上がりすたすた歩いていく兄貴の背中をもちろん俺は追う。
うーんどうにかして兄貴にどさくさに紛れて触れられないだろうか…なんて考えながら。

幸運なことに俺達しかいない露天風呂。
「星見えるよ。星」
ほらほら、とお湯から半分身体を出して指さす夜空には夏の大三角形。
デネブ、ベガ、アルタイルだっけ…。
小学生の時、暗くなった帰り道で兄貴にすごいと言ってほしくて覚えた星の名前。
「夏、星詳しかったよねー。あれ何?」
そんな些細なことを覚えていてくれる兄貴が大好きだ。
ああ、全身お湯に溶けるまでここにいたい。
肩までお湯に浸かりながら、俺は目を閉じた。
微かに感じられる風。ちゃぽちゃぽというお湯が注がれる音。隣で兄貴が身体を動かした時に伝わってくる湯の震動。

目を開ければ、隣には同じように目を閉じた兄貴。
つーっと首もとを流れた水滴が。絶賛男子中学生である俺にはエロ過ぎて…。
(やば…たちそ…)
ごくりと生唾を飲み込んだその時、内湯からの扉が開く音。3人こちらに向かってくるのが見える。
(ふたりきりタイムは終わりか…)
ちぇ。残念。
兄貴も気付いたらしく目を開く。
「お腹すいたね…出ようか」
「うん」
ぱしゃっと軽い水音をたてて、兄貴が立ち上がった。

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あきゅろす。
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