ハルノヒザシ 教えて、せんせい ざわざわとする休み時間中。 「いやー俺がこんなこと言うのもなんだけどさ」 と唐突な三好の声。 「前田って本当に数学出来ないんだな」 先程の時間帰って来た俺の数学の課題のノートをペラペラとめくりつつ 思いっきりバッサリと逆に感心したように三好が言った。 「…そうですよ」 まさにその通りなので、ふて腐れ気味に俺は頷く。 「いやー熱心に質問しに言ってるから数学大好きなのかと思ってた」 「別に熱心じゃないよ…、そうしないと全くわからないからだよ…」 むしろ数学なんて大嫌いだよ…、と俺は少ししょんぼりしながら答える。 「すげぇ、こことか何故か微分なのに全然違う公式が出てきてる」 まず数Uと数Bの区別が付いてないんだな、と面白そうにノートをめくる三好。 別にネタ帳とかじゃないのに…、そんな面白そうな顔して見なくても…。 「数学がこんなでも、編入試験通ったってことは他は出来るんだな」 「何だよーバカにして!三好はどうなんだよ」 はい、と笑いつつ返されたノートを受け取りながら俺は少しムキになりながら三好に問う。 「あー俺。俺はだいたい普通かな、そんなはできない」 大体の教科がいつもほぼ平均点だから。 さらっと三好は言うが、逆にそれすごくないか?と俺は思う。 [*前へ][次へ#] [戻る] |