[携帯モード] [URL送信]

ハルノヒザシ

「久しぶりの食堂だなー。三好何食うの?」
「とりあえずラーメン以外の何か」
昼休み。、朝の一件のせいで弁当を詰められず、俺達は食堂へと向かっていた。
もう、こうなりゃサボろうぜ、と開き直る三好を引き摺るようにして、何とか一時間めにはギリギリセーフ。
しかも西原先生だったため遅刻は多目に見てくれた。
諦めないと良いことがある。
弁当は持って来れなかったけどね。あーもうオカズ作ってあったのに。
ちょっとだけ口惜しく思いながら食堂へと到着。
中学とも共同の大きな食堂はザワザワと活気に満ちている。
そういや、始めて混んでる時に来たなーと思いながらメニューを睨む。
うーん。日替わりランチが安いな。うどんでもいい。
「俺、カルボナーラにしよう。前田は?」
「えっと、んじゃ日替わりにしようかな…」
うどんは後で自分で茹でよう。
そう思い歩き出す三好の背中を追おうと一歩踏み出した瞬間
「はるちゃん先輩!!」
と俺を呼ぶ声がした。続いて後ろからフワリと抱きつかれる。
ちょっと高めの声、なにより俺をそう呼ぶのは一人しかいないはずだ。
「くるみ、ちゃん…」
久しぶりだね、と振り向いて笑いかけるとニコッと笑う銀髪の少年。
「会いたかったですよぉ!」
舌足らずな声で甘えたように俺に抱きついたまま話す。
「誰だよ、ソイツは…」
後ろで三好の怪訝そうな声がした。

[*前へ][次へ#]

7/102ページ

[戻る]


第3回BLove小説漫画コンテスト開催中
[小説ナビ|小説大賞]
無料HPエムペ!