ハルノヒザシ 2 「久しぶりの食堂だなー。三好何食うの?」 「とりあえずラーメン以外の何か」 昼休み。、朝の一件のせいで弁当を詰められず、俺達は食堂へと向かっていた。 もう、こうなりゃサボろうぜ、と開き直る三好を引き摺るようにして、何とか一時間めにはギリギリセーフ。 しかも西原先生だったため遅刻は多目に見てくれた。 諦めないと良いことがある。 弁当は持って来れなかったけどね。あーもうオカズ作ってあったのに。 ちょっとだけ口惜しく思いながら食堂へと到着。 中学とも共同の大きな食堂はザワザワと活気に満ちている。 そういや、始めて混んでる時に来たなーと思いながらメニューを睨む。 うーん。日替わりランチが安いな。うどんでもいい。 「俺、カルボナーラにしよう。前田は?」 「えっと、んじゃ日替わりにしようかな…」 うどんは後で自分で茹でよう。 そう思い歩き出す三好の背中を追おうと一歩踏み出した瞬間 「はるちゃん先輩!!」 と俺を呼ぶ声がした。続いて後ろからフワリと抱きつかれる。 ちょっと高めの声、なにより俺をそう呼ぶのは一人しかいないはずだ。 「くるみ、ちゃん…」 久しぶりだね、と振り向いて笑いかけるとニコッと笑う銀髪の少年。 「会いたかったですよぉ!」 舌足らずな声で甘えたように俺に抱きついたまま話す。 「誰だよ、ソイツは…」 後ろで三好の怪訝そうな声がした。 [*前へ][次へ#] [戻る] |