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RAPTORS

 扉から流れる、人の列。
 それは、女、子供。
 かつて子供だった同世代の少年達。
 傷付いた兵。
 老人。
 中には古い知り合いも居る。
「…鶸」
 その列を見ながら、黒鷹が呟く。
「俺は正しい事をしているか…?」
 また、迷っている。
 これが、今残る、地の民。
 傷付き、疲れた者達。
「あったり前じゃん。皆に自由を与えてるんだろ?良い事じゃん」
「…うん。でも、何か違う…」
 鶸は不思議そうに、そんな横顔を見る。
「自由と命って、どっちの方が重いんだろうな」
 独り言の様に訊く。
 今の、開放の先に彼らに待っているのは、過酷な戦いなのだ。
 それは本当に、彼らの望むところなのだろうか。
「ムズカシー事は分かんね」
 鶸は、コリコリと頭を掻く。
「でも、どっちも大事だろ?でもって一番大事なのは、楽しく生きる事じゃないかなーって…いや、真に受けるなよ、俺の話なんか」
「いーや、受けてやる」
「おいおい…」
「生きるのも戦うのも、皆自由に生きる権利あるんだよな、だろ?」
「…そうだな」
 再び、まじまじと人の列を見る。
 皆、期待と不安の入り交じった顔をしている。
 生きるのも、死ぬのも。それが自分の意思ならば。
「――きっと、後悔しないよな…」
「して、たまっか」
 悪戯っぽく、鶸が笑った。


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あきゅろす。
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