新月を追って
9
「え、いや今…」
いや、言ったよな今俺に、と思いながら口元をヒクヒクさせていると千田はつまらなそうに、さみしそうに
「中西だったら仲間かもって思ったんだけど」
「な、仲間!? なんの!?」
「……俺、キヨと付き合ってるだろ? で思うこといろいろあんだけど周りに男と付き合ってる人いないからそーだんとか出来なくて」
「はーあー……でもいきなりヤッたはないだろ」
「そっか? ごめん」
「いやいや謝らなくても」
「……で中西は?」
「なにが!?」
「ヤったから腰痛いんじゃないんだ?」
「いやぁそうともか、かかぎらないんじゃないかなぁあ!?」
―――シーン……
こういう時に限って羞恥で真っ赤になって、ありえないくらい裏返った声で笑って誤魔化す敦志を千田は信じてないって目でじーっとみていた。その視線に耐えかねて敦志はついに負けをみとめたように溜め息を吐いた
「やっぱ松島さん?」
「ちょ、まだヤッたとか言ってないし!」
「いいだろ?俺、暴露したのに……中西も教えてよ」
「な、なんでだよ」
学年1の美少年にキラキラのスマイルで迫られても相変わらずあたふたしながら拒否を決め込む敦志
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