進め!巨人殺し
何でもないわけない(エレジャン)R18
※『年頃なので』続き






「ん・・・・アッ─────────」

絶頂を迎えて白濁した液体を吐き出す。
何て気持ちがいいのだろう。

ジャンは先日ライナーから教わった自慰に耽っていた。

「ハァ・・・ハァ・・・」
布団の中で事を終え、処理をしてから寝返りを打った。

灯りの落ちた部屋では、
いびき、話し声、寝具の音が響いている。

(今コイツ等の中にもオナニーしてる奴っているのかな・・・)
ジャンは余韻に浸りながら同期のことを考えた。

(まだ知らない奴とかいねぇかな・・・・エレンとか知らなかったら「人生損してる」って馬鹿にしてやりてぇな)
それは名案だ、とジャンはニヤリと笑う。

(アルミンにまず探りを入れてみるかな・・・アルミンが知らなきゃ当然奴も知らないだろう)
楽しみが出来たことにジャンは嬉しくなり、そのまま眠りに落ちていった。





──────────



「なぁ、アルミン」
「なぁにジャン?」
夕食後、寮へと戻る時にジャンはアルミンに声を掛けた。
エレンとミカサが話をしていて2人と離れていたため絶好の機会だった。

「あのさ、お前って」
「うん?」
「オナニーって知ってる?」
「えッ!!!!」
ジャンはアルミンの肩に腕を回し、小声で耳元に囁く。

「あ、いや・・・まぁ、う、ん」
(何だ、知ってんのかよ・・・・)
アルミンは真っ赤になったが頷いたことにジャンはガッカリした。

「そうか・・・」
「いや、男だし、それくらいは・・・」
それくらい、という表現にジャンはムッとした。
自分はまだ覚えたばかりなので負い目を感じてしまったのだ。

「おい、ジャン!」
「あ?」
「アルミンから離れろよッ」
いつの間にかミカサと別れていたエレンが睨んできたのでジャンはアルミンから離れてエレンと対峙する。

「離れろって何だよ?俺が何かしたか?」
「何かしそうだから言ってんだよ」
「は!?」
エレンの一言にジャンは絶句した。

「お前、最近サカってるから危ないんだよ!」
「はぁ!?」
「エレン、僕は何もされてないから」
アルミンの制止も聞かずにエレンは続ける。

「欲求不満みたいで毎晩1人でシてるしよ」
「ッ・・・・」
覚えたての快楽にハマっているのは確かだったので、指摘されても反論が出来ずジャンは赤くなる。

「っつーか、お前さ・・・・もう少し声抑えろよな」
「は・・・・?」
「あんな声聞かされてたら、その・・・・こっちまで・・・・」
エレンも赤くなって目を逸らす。
ジャンは意味が分からなかった。

「え・・・・だって、声、出すもんじゃ・・・・?」
確かにあの時ライナーはそう言った。

「悪い、ジャン」
「ライナー!?」
戸惑うジャンの背後から声を掛けてきたのは張本人だった。
エレンとジャンがまたやり合っているということで様子を伺いに来たのだ。

「悪いって・・・ど、いうことだ・・・?」
「あー・・・・こないだは2人だったから声を出せって言ったが、普通1人の時は声出さないし、人に隠れてするもんだ」
「ッ!!??」
ジャンはサーッと血の気が引いていったが、
あんな欲に溺れた声を聞かせるものではないと知って羞恥で全身が熱くなる。

「お、前等・・・・それ聞いて、馬鹿にしてたのかよ・・・・ッ」
「そんなことないよジャン!」
「クソッ!!」
「あ、おいッ!!」
「チッ・・・・」
ジャンは今にも泣き出しそうな顔をしてその場を走り去って行った。
しくじった、とライナーは舌打ちをして追いかけようとした

が、

「待てよ!ジャンッ」
ライナーよりも先に動き出したのがエレンで、ライナーは踏みとどまってしまった。

「クソッ・・・」
もっとしっかり教えて、釘を刺すべきだったとライナーは後悔した。
初めて射精を味わったジャンの声や姿は、男の欲を刺激するものだった。
それを別の男に聞かれていたのかと思ったら独占欲がチリチリとくすぶった。

けれどそれと同時に、そう思うことをどうかしている・・と否定する気持ちもあったのでエレンを押し退けてでもジャンを追うことが出来なかったのかもしれない。

「チッ・・・・」
「ライナー・・・」
もう一度舌打ちをすると、アルミンが心配そうに見上げてきた。

「エレンとジャン大丈夫かな」
「・・・・いつもみたいに殴り合って終わりだろ」
「うん・・・でも、2人共何か様子が変だったから」
「2人っていうより、エレンだろ?」
「・・・・」
アルミンは遠回しに様子を見に行かせようとしていることにライナーは気付いた。

「エレン・・・・ジャンの声を聞いて、ちょっと・・・・ね」
「なるほどな」
どこまでアルミンは勘付いているのか、それとも考え過ぎなのか。

「分かった、見てくるよ」
「うん・・・頼むよ」
ライナーは前者だと確信した。

後者ならアルミンもついてくるだろう。
それをしないということは、ライナーがジャンに何かしらの感情を抱いていて、エレンがジャンに欲情しているということを分かっているからだ。

(可愛い顔して恐ろしい奴だ・・・)
この前のように簡単には見つからなそうな2人に、ライナーは溜め息を零した。






・・・・・・・





「待てよッ!」
「っるせぇ!!ついてくんな!!」
「お前、ライナーと何したんだよ!!」
「関係ねぇだろッ」
ジャンとエレンは敷地内を駆け回っていた。

「2人の時は声出すって、何だよ!?」
「だからッ!お前に話すことは何もねぇんだよ!!」
「お前、ライナーと変なことしてんのかよ!?」
「はぁ!?変なことって何だよ!!」
「俺だって・・・・俺だってジャンがどんな風にヌいてんのか見たいんだよ!!」
「は!!??」
ジャンは思考回路が寸断された。

「おい、ジャン!!前ッ」
「は・・・・ぐはぁッ!!!」
「ジャン!!」
林の中に駆け込んだことが裏目に出た。


「いってぇぇえええー!!!!」
「はぁ、はぁ・・・馬鹿だ・・・」
ジャンはエレンの発言に気を取られ、そのまま木に衝突して見事に倒れ込んだ。
エレンも座り込み、呼吸を整える。

「くっそ・・・・マジで痛えッ!!!」
「大丈夫かよ?」
「お前のせいだ!!お前が変なこと言うから!!」
「変っていうか・・・・本気だよ」
「・・・・は!!??」
ジャンはぶつけた額を両手で抑えてバタバタしていたが、自分の腕の向こうに見えるエレンにギクリとした。

「毎晩、お前のあんな声聞いてたら、どんな顔してんのかとか気になって」
この男の、こんな顔は知らない。
ジャンは起き上がってもう一度逃げなければ、と本能が悟った。

「ライナーに見せたんだったら俺だっていいだろ」
「見せたっていうか、」
教えてもらった、とは言えないのはジャンのプライドだ。

「させたのか?だったら尚更いいじゃねーか」
「いや、よくねぇよッ!!何でお前なんかにッ」
「大丈夫だって・・・・人の手って気持ちイイもんだから、お前だって悪い話じゃねーよ」
「ッ・・・・」
ジャンはゴクリと生唾を飲み込んだ。
ライナーにしてもらった時の快楽を自分では再現出来ずにいたのは、自分と他人の違いなのか。
そう思ったらジャンはエレンへ興味が湧いてきた。

「す・・・少しなら・・・」
エレンの目がギラリと輝いたような気がした。






「な、んで、こんな座り方ッ」
「出来れば俺のをお前にしてもらいたいから」
「はぁ!?んなことしねぇよバーカ!!」
「じゃあ、俺がして気持ち良かったら触れよ」
「しねぇって!!」
ジャンはエレンの足の中に収まるように向き合って座らせられ、互いの股間がぶつかる距離にまで近付いた。

「触るぜ?」
「あ、ぁ・・・・」
何故この男と、こんな場所で、こんなことを・・・・
考えれば考えるほどおかしな状況なのにジャンは興奮していた。

「ぅ・・・ンッ」
「ちゃんと、声聞かせろよ」
エレンの手が直に触れてきて、ピクンと身体が反応する。

「あ・・・・ぁ・・・」
やはり自分とは違った感覚だ。
いつもより深く感じる快さ。

「こんな顔してたんだ・・・」
「バカか!見んなよッ」
「いいじゃん・・・」
何故こんな時に限って月明かりが眩しく思えるのだろう。
木々に囲まれているのに頭上から照らされる光にジャンの姿はエレンに捉えられている。

「ん、アッ・・・」
「ここ好きか?」
「ぅ・・・ん・・・」
くちゅくちゅと音が響く。

「なぁ、気持ちイイ?」
「ん・・・」
「俺の触ってよ」
「い、やだ・・・・ッ」
ジャンは快感に惚けているせいか、普段のジャンとは思えない素直さを見せる。
エレンの呼吸は荒くなり、エレンも自分の下着をズラして性器を掴み出した。

「ジャン・・・ほら、握って」
「や・・・アァッ」
「俺も気持ち良くなりたいんだってばッ」
「調子に乗りやがって・・・・ッ」
エレンはジャンの手を導くので、ジャンは恨み言を口にしながらもエレンのモノを扱き始めた。

「んっ、あンッ!!??」
「ンッ・・・・」
「な、お前ッ!!!何キスなんてしてんだよッ!!」
夢中になっていたら、突如唇に柔らかな感触。

「仕方ねーだろ?したくなったんだから」
「だからって、男同士でッ!!」
ジャンが慌てたのはそれだけではない。
初めての相手がエレンになったことだ。

「うるせぇな・・・・手止めんなよ」
「ンンッ!!!」
エレンはジャンの後頭部を抑えてもう一度唇を重ねる。
それも今度は、ぬるりと舌を差し込んだ。

「ん・・・・ふ、ぁ・・・・」
エレンの舌が咥内をなぞる。
ぬるぬるとした熱い感覚にジャンは震えた。

「ンッ、ンンッ!!!」
我慢など利かず、呆気なく吐精した。
ビクンと身体が痙攣して、残りの精液も吐き出した。

「ハァ、ハァ」
「ジャン・・・・」
「ンッ」
脱力してしまったジャンは手を動かしてくれないので、エレンは自分で自身を扱きながらジャンにもう一度キスをして射精を迎えた。

やはり、人の手は快感が増すのか?
それとも別の要因があるのか。
ジャンは深く満たされた

が、

「何でお前なんかと・・・・ッ」
熱が引けば後悔が大きい。
夢中になっていたとはいえ、何故エレンと・・そればかりが頭を駆け巡る。
口元を拭い、服にこびりついた精液を拭き取った。

「別に気持ち良かったんだったらそれでいいだろ」
「良くねぇよ!!・・・・う・・」
大声を出したらジャンはくらりと視界が揺れた。

「お前大丈夫か?頭から血出てるせいか?」
「は!?そういうことは先に言えよ!!!うぅ・・・・」
ジャンはそのまま倒れ込んでしまった。







──────────




「アイツ等どこ行った・・・・?」
ライナーは走りながら周囲を見渡していた。

「ん・・・・?」
月明かりに僅かに浮かぶ輪郭。
その方向を目指してスピードを上げる。


「ライナー!」
「おい、どうした!?」
ジャンはエレンに背負われてグッタリとしている。

「頭打って貧血起こしてるみたいだ」
「そうか・・・・代わるよ」
「あぁ、助かる」
エレンから受け取り、意識のないジャンを担ぎ上げた。

「ッ・・・・」
「あー、重かったー」
「・・・・何があった?」
肩をぐるぐる回すエレンにライナーは問いかけた。

「・・・・別に、何も?」
「そうか・・・・」
「追いかけてたらコイツ木にぶつかってさー、バカだよなー」
「ったく、俺から言わせりゃお前等は2人共バカだよ」
「ひでーなライナー」
エレンはいつもと変わらない笑みを見せる。


ただ、ライナーにはエレンが嘘をついたことに気付いていた。
ジャンを担ぎ上げた時、僅かにした独特の雄の匂い。
何かがあったのは明確なのにそれを隠したエレンの心情までは読み取れなかった。


けれど、ライナーは自分の腹の中に渦巻く感情の方が意味が分からなかった。






×××××××××××

思春期の興味が男へ向いているので、
泥沼へ入って行きましょうか。



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