進め!巨人殺し
泣いてもいいですか(リヴァジャン)R18







コンコン・・・・


「ジャン・キルシュタインです」
ノックをして名乗ると、部屋の中から『入れ』という声がしてジャンの背筋はピンと伸びた。

「失礼しますッ!お呼びでしょうか」
「用があるから呼んだんだよ」
「あ、はいッ」
ジャンは敬礼をしながら固まっていた。
何故、自分がここに呼ばれたのか見当もつかないから。
そして、部屋の主がソファに足を組んで座り、その顔が相当凶悪だからだ。


「リヴァイ兵士長、自分は何を」
「服を脱げ」
「・・・・・は?」
ジャンは自分の聞き間違いであると思った。

「服を脱いで俺の上に跨がり、腰を振って慰み者になれ」
「ッ!!??」
今度は詳しい命令でジャンの耳がおかしかったわけでないことが明確となった。
けれど、それを理解するにはあまりにも吹っ飛んだ内容でジャンは困惑した。

「えッ」
「聞こえなかったのか?」
「あ、いえ、ちゃんと聞き取りましたが・・・・え?」
「今のクソガキ共は新兵が上官の相手をすることも知らないのか?」
リヴァイの機嫌は悪くなる一方なのは目に見えて分かったが、ジャンは硬直したまま頭をフルに回転させた。

「それって、女じゃないんですか・・・・?」
「あぁん?」
「いや、し、失礼しましたッ」
ギラリと睨まれてもう一度敬礼を正す。

「女は孕む可能性があるから、大事な戦力を欠かないためにもこういうのは男の役目なんだよ・・・・」
(知らなかったぁぁああああ!!!)
ジャンは心の中で大絶叫をする。

「それで、いつまで俺を待たせる気だ」
「あ、いや、それは・・・」
「新兵が命令に背くのか?」
「いえ、そんなつもりは・・・・」
「物分かりが悪い馬鹿みたいだな、お前は」
リヴァイの周りには武器となりそうなものがないのにも関わらず、ジャンはいつ殺されたのか分からないくらい一瞬で首が飛ぶ映像が容易に想像出来てゾッとした。

「他の奴等は利口だったぜ?」
「他・・・・」
ジャンは喧嘩相手の顔が瞬時に浮かんだ。

「エレン・・・も、ですか・・・?」
「・・・・」
ジャンは恐る恐る質問をすると、リヴァイは無言でジャンをじっと睨んだままだ。


「そうだな・・・・」
リヴァイは重い口を開けた。


「アイツは自分の立場をわきまえていて、為すべきことを理解している」
「ッ・・・・」
ジャンは危うく舌打ちをするところだった。
気に食わない。
カラダを差し出すことに抵抗はなかったのか?
いい子ぶったのか?
いや、上官に取り入る以前に断ればそれは『死』だ。
しかし、ジャンは死の恐怖よりもエレンに対する怒りの方が強くなった。
エレンに出来て自分が逃げるわけにはいかないと、ジャンは握られた拳に力が入り決断する。


「よ・・・よろしくお願いしますッ」
「いいだろう」
ジャンはリヴァイの視線を受けながらその場で装着しているベルトを取り外し、シャツのボタンに指先を運んで気付いたこと。


ジャンの指先は震えている。
小さなボタンを外すのに苦労をする。
これは緊張か、畏れか・・・


「まだか」
「す、すみませんッ」
慌てれば余計に震えが酷くなる。
恐らくリヴァイの目にもそれは映っているだろう。

「貧弱で貧相」
「え・・・ぁ、そうですか・・・」
シャツを脱いで裸体を晒すとリヴァイが呆れたように言い捨てる。
ジャンは自分の身体は筋肉の付き方もバランスが良く、我ながらイイぜ?と思っていたので、一言でその自信が砕かれた。
けれど、まだ15歳なのだから完成型はこれからだ!と気持ちを上げてズボンを脱ぐ。

すらりと伸びた長い美脚。
リヴァイは脚から顔へと視線を移動させる。

「ふぅ・・・ん」
何か結論に至ったようだが、それが何なのかジャンは聞けるはずもなく最後に残された下着一枚の姿になる。

「どうした?早くしろ」
「は、い・・・・」
風呂場でもないのに人前で全裸になることに恥ずかしさが込み上がってきてジャンは赤くなってしまった。
けれど時間をかけても逃れられるわけでもなく、人類最強の機嫌を悪くさせるだけなのでジャンは泣きたくなる衝動を堪えて下着を脱いだ。


「男が恥じらうな・・・・気持ち悪い」
「す、すみませんッ」
ジャンは指摘されて余計に恥ずかしくなり、顔を片手で隠し、もう片手の所在に困りながらリヴァイへと近づいた。

「あ、の・・・・し、失礼します・・・・」
リヴァイに跪き、恐る恐るズボンへと手を伸ばす。
チラリと見上げると、リヴァイは無表情でジャンを見下ろしている。
何も言わないということは問題なさそうなのでそのままズボンの前を広げ、下着からリヴァイの性器を掴み出す。

当然まだ萎えているのだから、すべきことは決まっている。
ジャンは親指で先端をこねながら竿を握り、刺激を与えていく。

ピクリと僅かな反応があり、ジャンは複雑な思いがした。

何で男の自分が、男の愛撫をしているのか。
こんなことは女子に自分がしてもらいたかった。
三十路を越えていてもちゃんと勃起はするのか。
というか、勃起されたら突っ込まれてしまうので大きくならないでくれ!!

様々なことが脳内を駆け巡るが、止めるわけにもいかずリヴァイの反応を確認しながら手を上下に動かし続けた。


(う・・・・ッ!?)
ジャンの手の中で質量の増すソレ。
硬度からするとまだ余力を残しているであろう。
しかし、ジャンは青冷めた。

(さすが人類最強・・・・って、いやいや!こんなの突っ込まれたら大惨事だろ!!??)
自分と比べてもはるかに立派なものに恐怖しかなかった。

「もう入るだろう」
「え!!あ、は、いッ」
声を掛けられてジャンは慌てた。
入るけれど、入らない!


「あ、あの・・・兵長・・・」
「何だ」
ジャンは心を決める。
絶対に無理だ。

「俺、104期生の中で上位10名に入る実力があります!当然微力ではありますが確かな戦力だと思っています!」
「・・・・何が言いたい」
リヴァイがイラついているのはすぐに分かったがジャンは怯まず続ける。

「俺、初めてなんで相当怖いです!きっと入らないです!無理矢理入れたら大惨事になって戦力外になる自信があります!!」
「・・・・」
ジャンは半泣きで勢いに任せてリヴァイに意見をした。

「チッ・・・」
「──────────ッ!!」
舌打ちをされてジャンは背筋が凍った。
何故、調査兵団に志願してしまったのだろう。
内地暮らしをしていれば、こんな恐怖を味わうこともなかっただろう。


「跨がれ」
「え・・・・あ、はいッ」
命は繋ぎ止めたが要望は無視されたようだ。
ジャンは言いたいことを口にしたことで諦めもついた。

「失礼します・・・・」
ソファの背もたれを掴みながらリヴァイに跨がる。
裸体、股間を目の前に晒す羞恥心が僅かに残っていることを愚かだと泣きたくなった。

「汚ねぇから嫌なんだよ・・・」
「え・・・う、ァッ!?」
突然口の中に指を入れられ、ジャンは目を白黒させた。

「指で慣らしてやるから舐めろ」
「ふ、ぁい・・・」
あの潔癖症のリヴァイが、ジャンの尻の穴を解すというのか。
ジャンは驚きと緊張と恐怖で口の中が渇いている。
けれど気が変わらないうちにこのリヴァイが出してくれた妥協案に乗らなくては。

「ん・・・・」
唾液をしっかりまとわせたら、ジャンの被害も軽減されるかもしれない。
淡い期待を込めながら、恐る恐る二本の指に舌を這わせる。

(これなら・・・・)
リヴァイの性器も舐めてから挿入すればいいのか?と頭を過ぎった。
この指とは比較出来ない質量のアレを。

「ッ!!」
リヴァイの股間に顔を埋める姿を想像すると、ジャンは顔がカァッと熱くなり困惑した

目を開けると、じっとこちらを見つめるリヴァイと目が合い余計に居たたまれなくなった。

「もういいだろう」
「ぁ・・・はい」
口から抜かれた指はそのまま開かれた足の奥へ移動する。

「ヒッ・・・!!」
人が触れることのない皮膚に行方を探す指が触れて、熱くなった顔も瞬時に冷める。
目的の場所を探り当てた次の瞬間、


「う、アァ─────────ッ!!!!」
ずぶりと遠慮なく差し込まれた指。
ジャンは激痛に叫んだ。

「うるさい」
「す、みまッ〜〜〜〜〜ッ!!!」
慌てて手で口を塞いだ。
ぎゅうっと閉じられた眼からは涙が流れる。
痛みの恐怖に萎縮した身体は震え、足に力を入れようともう片手で太腿に爪を立てた。

その間もジャンにお構いなしの指はズブズブと中を犯す。
キツく締め上げる穴にもう1本指を捻じ込み、ジャンは声にならない悲鳴を上げた。
抜き差ししたり、中を掻き混ぜたり、指の動きはリヴァイの温情なのだが冷酷な仕打ちだった。


「ッ!!??」
ポロポロと涙を落とす眼が見開かれた。
明らかに異質な感覚のする箇所に指先が触れたから。

「ッ!!!」
リヴァイの指先がもう一度そこに触れてきてジャンは身体が跳ねた。
痛み以外に感じた何と表現したらいい感覚なのだろうか。

「アッ!兵長ッそこは!!」
何度も触れられてジャンは身を捩る。


「イイんだろ?」
「!?」
リヴァイに言われてジャンはハッとした。
そうか。
前を擦って得られる感覚とは違うが、これも快感なのか。
そう気付いた途端にジャンの身体は熱を帯び始めた。

「兵長ッ」
「・・・・」
「え・・・・───────ッ!!!」
リヴァイは目がジャンを捉えていないので、その視線を辿ると
リヴァイの肩にしがみついている自分の手。

「す、すみませんッ!!!」
ジャンは慌てて手を離したが、無我夢中で掴まっていたのでリヴァイのシャツは皺になっていた。

「爪を立てたら腕をへし折るからな」
「ぁ・・・・ありがとうございます・・・・」
それはつまり、掴まっていていいということ。
リヴァイが不意に見せた優しさにジャンは赤くなってしまった。

(筋肉、すげぇよな・・・・)
改めてリヴァイに触れ、その身体とブレない軸の強さに感動していたが、

「あ、アァッ!」
ぐりっと指が動き、ジャンは身体を大きくビクつかせた。

「う・・・・は、ぁ」
指が執拗にジャンの中を攻め立てる。
脚が震える。
声が上擦る。
痛みで流した涙と違う意味の涙が頬を伝う。

「おい」
「は、い・・・・」
「もし俺にぶっかけたら削ぐぞ」
「え・・・・」
言われた意味が分からなかったが視線を下ろすと、見事に勃起した自身。

「う、わぁ!?」
驚きの声を上げた。
まさか、こんなことになっているとは。

「本当に初めてか?」
「は、初めてっすよッ!!」
リヴァイは呆れているのか、からかっているのか。
ジャンは恥ずかしくて言い返してしまった。

「ここがそんなにイイのかよ」
「あっ、兵長ッ!!」
ジャンはうっかり射精してしまいそうで、先端を手で覆った。



コンコン───────


突然のノック音にビクリとして身体が硬直した。

『兵長〜いますか〜?』

聞き覚えのある声。
腹の立つ同期・・・・
何故?

「アイツは地下室で手枷をして眠るのが規則なんだよ」
「・・・・」
ジャンの戸惑いにリヴァイは答える。

「だから就寝時間になるとこうやって監視役の俺を探しに来るんだ」
ジャンはゴクリと生唾を飲み込んだ。
目が泳ぐ。
もし、扉が開かれたら・・・

全裸で上官に跨がり、尻の穴に指を入れられて勃起しているこんな姿・・・
見られるわけにはいかない。

「ッ・・・・」
ジャンは小さく首を振り、涙の浮かぶ瞳で訴える。
リヴァイに掴まる手にも力が入ってしまう。
嫌だ・・・・嫌だ。

「分かった・・・」
リヴァイは息を吐く。
ジャンの願いは届いたのか。




「エレン、入れ」
「ッ─────────!!!」
ジャンは目の前が真っ暗になるほど酷く絶望した。

だから、リヴァイの口端が上がっていたことに気付かなかった・・・・






13.06.09
×××××××××
兵長はSでしょ!?イジメられっ子代表のジャンが犠牲になりますよ。



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