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小説 3
潜入捜査は危機だらけ・8 (R18?)
 心配すんな、と阿部は言った。
「オレは犯人じゃねーよ」
 三橋の敵じゃないんだ、と。味方になってやるから、と。
「何でもしてやるし、何でも教えてやる。だから……」

 だから。
 身を委ねてもいいのだ、と。


 何だかいいように、誘導されてるような気がした。
 だってその言い方だと、三橋がこうなる事を、望んでたみたいじゃないか?
 それとも、やっぱり望んでたのかな?
 デスクチェアに座る阿部の、さらにその膝の上に向かい合わせで座り、抱き合いながら、三橋はぼんやりと考えた。
 阿部も上半身だけ裸になって、さっき専門校舎で垣間見た、きれいな筋肉をさらしている。その胸と腕とに包まれて、冷えてこわばってた体が、蕩けるように温まる。

 自分のよりふた回りくらい大きな阿部の性器は、同じ男同士だというのに、直視できない。恥ずかしい。
 それを三橋の白いのと併せて、阿部の大きな手のひらがゆっくりとしごいた。
「あっ、ひっ……ああっ」
 ほんの数回の上下で、三橋が早々に射精した。

 ものすごい羞恥と、脱力感が三橋を襲う。
 何だか顔を見られたくなくて、両手で顔を覆い、ぎゅっと目を閉じた。
「ふは、早や。若いな、お前」
 阿部がくすくす笑いながら、暖かな両手で三橋の背を抱き締めてくれた。
 まだ自分は射精してないのに、いいのだろうか?
 
 顔を覆う指と指の隙間から、三橋はそっと阿部を見つめた。
 三橋の背を、胸を、腰を……暖かく撫でさすりながら、阿部は熱のこもった目をして、嬉しそうに微笑んでいる。
 どうしてそんな、嬉しそうなんだろう?
 まだほんの数回触っただけで、阿部の方は射精していないのに。今でも固く、そそり立ったままなのに。

 阿部にも達して貰いたくて、自分だけじゃ申し訳なくて。三橋はぎゅっと目をつむり、小さな声で言った。
「先生も、だ、出して」
 すると阿部は、喉の奥でくくっと笑い、「じゃあ、さっそく」と言った。
 後ろ手でデスクの辺りをゴソゴソ漁り、小さな紅のボトルと、メタルブルーの紙箱を取り出す。ボトルの方は知らないが、紙箱の方になら知識はあった。コンドーム、だ。
 さっき探った時には、そんなもの無かったように思うのに。一体どこにどうやって隠していたのだろうか。
 そんなことを考えていると、阿部が言った。

「腰、浮かして」

 三橋は素直に膝立ちになった。
 デスクチェアの端の方は、狭くてバランスが悪いので、恥ずかしいけど両手を外し、阿部の肩にしがみつく。
 すると、阿部が三橋の尻を両手で掴み、その双丘をくいっと裂くように広げた。
「あっ」
 思わず叫んだ三橋は、続いて中心の蕾をくすぐられ、声もなく身をよじる。
「や、いやっ」
 ようやく口に出せたのは、太い指がぬるりと差し込まれてからで、その時にはたくましい腕に抱き込まれ、逃げ出せないようになっていた。

「いや? 何で?」

 阿部が意地悪く訊いた。
 その間も、挿れられた指は三橋の体内を強くこすり、固い入口をほぐしていく。
「何でイヤなのか、言えよ」
 言えと言われても、考えることもできなくて、口から漏れるのは喘ぎ声ばかり。

 そんなつもりじゃなかった、とか?
 仕事中だから、とか?
 怖いとか?

 どれも違うような気がして、三橋はただ、はくはくと口を開けた。
「イヤか? やめて欲しい?」
 問いながら、穴を拡げながら、阿部が三橋を追い詰める。
 不意に、全部の指が抜かれた。
 いきなり解放された物足りなさに、三橋は大きく息を吐いて、目を開けた。
 そこで見たのは、阿部が自分の陰茎に、コンドームを装着している様子だった。

 三橋はひっと息を呑み、目を逸らしてじたばたと暴れた。
「いや、やだっ」
 阿部がもう一度訊いた。
「何で?」
「だって、オレ、女じゃない!」
 すると、阿部は……。

「だから、いいんだろ」

 そう言いながら、三橋の腰をぐっと引き下ろし、自らのモノに突き刺した。
「んんううっ」
 絶叫は、阿部の舌に絡め取られて消えた。
 ゆっくりゆっくり、大きく太く硬いモノが、奥へ奥へと入ってくる。
 痛みはなかった。イヤでもなかった。
 心を占めるのは、泡のように消えていく疑問。そして、ほんの少しの期待。

 根元まで挿れられた楔の、そのあまりの質量にびくびくと震えながら、三橋は阿部の声を遠くに聞いた。

「お前が女じゃねぇなんて、授業中に一目見て分かったさ。オレ好みのどストライクが、女のフリしてスカートはいてんだぜ。おかしーと思うだろ?」

 考えることも、言いたいことも、色々あった気がしたけれど……。
 腰を掴まれ楔の上で上下させられて、それが激しくて凄くて気持ち良くて……。三橋の頭の中は、間もなくそれでいっぱいになった。

(続く)

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