Season企画小説
ハワイアナ・3 (R18)
高級ホテルだけあって、浴室も勿論広い。
体格のいい阿部さんと2人で入っても十分余裕で、抱き合ってもキスしても余裕だった。
強めのシャワーをざーざーと浴びながら、互いの体を洗い合う。糖分たっぷりの炭酸の名残を、阿部さんの大きな手がわしわしと洗ってく。
オレも負けずに阿部さんを洗った。両手にボディソープをたっぷり泡立て、熱い胸や広い背中に滑らせる。
けど、意地悪な阿部さんが大人しく洗われてくれるハズもない。
体を洗ってたハズなのに、いつの間にかガッシリ抱き込まれ、お尻を揉まれててギョッとした。
「ひやっ、ちょっ……」
思わず上げかけた悲鳴が、キスの中に閉ざされる。
抵抗するとか、拒むとか、そんな選択肢はない。肉厚の舌を口中に招き入れながら、お尻の谷間を撫でられて呻いた。
「んっ、んう……っ」
つぼみを指先で触れられて、びくんと腰が揺れる。
とうに勃起してた熱いモノが、オレにぐいっと押し付けられる。
キスがほどけても、イタズラな指は止まってくれない。何度となく抱かれたつぼみが、期待にひくんと疼くのを感じた。
「ふあ……あ、阿部さん……っ」
太い指がつぼみの中に沈められ、体腔がきゅんとなる。
欲しいって、すごく思った。
昨日もその前も、もうイヤだって泣くくらい激しく貪られたのに。阿部さん、容赦ないのに。どうしてまた、抱いて欲しいって思うんだろう。
お湯で濡らされた太い指が、ゆっくりと中を広げ、穴の入り口を拓いてく。
「は、あ……もう……っ」
阿部さんの首に腕を回し、じれったさに必死で耐える。
ぶっかけられただけで飲んでないのに、シャンパンに酔ったかな? すごく欲しい。
そんで、オレが欲しがってんの、阿部さんはきっと気付いてるんだろう。艶っぽい顔でくくっと笑ってて、楽しそうだ。
「もう、何?」
からかうような阿部さんの問い。
「もうっ、シャワーはいい、っ、です」
「違ぇだろ」
なけなしの理性で誤魔化そうとしてるのに、あっさり否定されて返事に困った。
カメラがあってもなくても、オレに恥ずかしいセリフ言わせて喜ぶの、相変わらず、だ。
「ほら、正直に言えよ。もう何?」
穴を開く指が、3本に増やされて抜き差しされる。
シャワーのお湯だけじゃ滑りが悪くて、指の感触が生々しい。ゆっくりと抜き差しされると、少し痛いのに気持ちよく思えて、どうしようって思った。
オレ、いつの間にこんな、えっちになっちゃったんだろう?
阿部さんと恋人になって、まだそんな何ヶ月も経ってない、のに。それまで、男同士の恋愛なんて、考えたこともなかったのに。
阿部さんの大きな体に組み伏せられ、いっぱい可愛がってもらうのが、こんなに好きになるなんて思ってなかった。どうしよう。
もっと欲しい、もっと深いトコに触れて欲しい。指だけじゃ足りないって伝えたい。
「もう、ほ、欲しい、です」
言いながら、かーっと赤面してくのを感じた。
何度言わされても恥ずかしいのには変わりなくて、阿部さんに抱き着いて赤面を誤魔化す。
何が欲しいのか、なんて意地悪なことは訊かれなかった。
「オレも欲しい」
響きのいい声で囁かれ、鼓膜からびりびりと痺れた。甘い電流が背筋を這い、胸のドキドキが速くなる。
きゅっ、とシャワーのコックを締める音が聞こえて、期待と興奮にぞくぞくした。
下腹に押し付けられた固くて太くて熱いモノを、たまんなくなって握り込む。
「こら」
短く叱られたけど、笑ってるの分かるから怖くない。
するっと手から外される昂ぶり。それを与えられたのは、タオルで体を拭かれた後、ベッドに座らされてからだった。
シャワーを浴びた直後のソレは、いつも通り凶悪だったけど、やっぱお湯の味がした。
実況中継ごっこもなくて、べらべら喋らされることもない。
「ん……ふ……」
興奮に声を漏らしながら、巨大な陰茎にしゃぶりつく。
散々仕込まれたフェラだけど、少しは上達してるかな? 阿部さんはいつも余裕で、少し悔しい。
時々、「は……」ってかすかに甘く息を吐かれると、そんだけで震えるくらい嬉しい。
「もういーよ」
夢中でしゃぶってたモノを抜かれ、ぶるんと唇がはじかれた。
たちまち襲う口寂しさ。けどそれも、阿部さんがローションを取り出すまでの一瞬で――。
「脚開いて」
ベッドの真ん中をぽんぽんと叩かれ、促されると、そっからは阿部さんのターンだった。
ボトルのふたを開けた途端、ふわっと香る甘いニオイ。
言われるまま、両足をはしたなく開いてヒザを抱え、彼の視線を受け止める。
シャワーを浴びながら広げられた入り口が、無遠慮な視線に晒されてひくついた。甘い疼きが切なくてたまんなくて、欲しくて震える。きゅんきゅんする。
「早、くぅ」
短くねだると、阿部さんが嬉しそうに「待てよ」って笑った。
お預けされるのは苦手だ。待つのも苦手。じらされるのも苦手。
録画されるのを分かってても、卑猥なこと言っちゃえるくらい、お預けが辛い。早く欲しい。太いモノで奥まで貫き、強く揺さぶり、何も考えらんなくして欲しい。
くちゅっと音を立て、胎内に塗り込められるローション。
ベッドのスプリングがキシッと鳴って、阿部さんがオレに覆いかぶさる。
「ふあ、あ……っ」
咲きかけのつぼみに固い肉根が押し当てられ、期待に喘ぐ。
その熱い肉根にはローションが絡められ、大した抵抗もないまま、くぷっと中に挿って来た。
「阿部さんっ」
ぐぐっと奥まで押し入られ、あまりの存在感に息を詰める。
昨日だって何度も抱かれたのに、どうしてこんな、毎回気持ちイイんだろう?
「酔ったみてぇ」
阿部さんが、ぎゅっとオレを抱き締めて囁いた。
「ワリーけど、あんま持ちそうにねぇ」
そんな宣言と共に、ガツンと強く穿たれて「ああっ」と喘ぐ。
「持ちそうにない」なんて言われたって、早く終わった試しはない。広い背中に腕を回して、揺さぶられながらしがみつく。
年が明けてから、まだそう時間も経ってない。今年初めてのえっちも、まだ到底終わりそうになかった。
(続く)
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