蒲公英
2
[side春]
「なるほどね…」
一人でウダウダしてるより、智に聞いてもらうほうがいいと判断した。だってこいつ、さっきバイだって認めたし。
「酒の威力って、怖いな」
「あぁ…はじめて怖いと思ったよ」
「で、結局の所お前は蓮のことどう思ってんだよ」
「どうって…」
「あのなぁ春、セックスってのはな好きじゃねぇと出来ねぇんだよ。それくらいお前でも分かるだろ。好みじゃない女とやれるか?やれねぇだろ」
「そうだけど」
「あーもう!!まどろっこしい。いつもみたいにハッキリしろよ。好きか嫌いか、どっちなんだよ」
好きか嫌いかと聞かれたら、迷わず好きと答える。でもそれは友人として?
いや、違う、かもしれない。俺の膝に乗ってきた蓮を見て、触りたいと思った。もっと近くに感じたいと思っていた。
今まで無意識に封印していたのかも。たまに可笑しいくらい心臓が高鳴ることがあった。それは決まって蓮が近くにいる時で。
じゃあ、やっぱり俺は
「…好き、なのかも」
「ならさっさと告ってすっきりしちまえよ」
「そんな軽く言うなよ!!できる訳ねぇだろ」
「…ヘタレめ」
「なんか言ったか」
「いや、何も」
智は笑いながら俺の肩を叩くと、そのままどこかへ行ってしまった。多分、彼女の所だろう。
「はぁ…」
智に話す前とは違う意味で溜息が出た。
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