[携帯モード] [URL送信]

蒲公英
見つけてしまった感情
[side春]


あの日から、妙に蓮を意識してしまう。酒に酔って、挙句の果てに同性の友人とやっちゃったんだから当たり前だよな。蓮が可笑しいんだよ。なんであんなに平然としてるんだ。あいつにとって、俺とのことはどうでもいいことなのか。


「…はぁ」
「お前らしくねぇなぁ」


隣にいた智に呆れた顔で見られる。人間なんだから溜息くらいつくだろ。そんなにいつも笑ってられるかよ。


「うぜえよ」
「…蓮と、なんかあったのか?」


こいつにしては珍しい。明日は槍でも降ってくるんじゃねぇの。


「なんで」
「だってお前等最近可笑しいだろ。お互いがお互いを避けてるし。最近までの感じはどこいったんだよ」
「お前、こんなキャラだったっけ」
「んだよ!!人が折角心配し「なぁ」

「…なんだよ」
「お前ってバイなの?」


何故今そんなことが気になるのか。理由なんて気づきたくなかった。一夜の過ちだって、そう思いたかった。


「まぁ…男もいけるし、バイなんじゃねぇの」
「男とも好きならヤるのか?」
「今そんな話じゃねぇだろ」
「いいから」
「…なんとなくお前と蓮に何があったか分かったかも。仕方ねぇから答えてやるよ。俺は好きな男とならヤるぜ。嫌いなら絶対無理」
「…はぁ」


盛大に溜息をついてヘニャヘニャと座り込む。全身から力が抜けた、って言うのが正しいかも。

俺ってバイなのか


「おい、春。ここまで答えたんだから何があったか教えろよ。まぁ、何があったかはなんとなく想像つくけど。相談くらい乗ってやるぜ」


こいつってこんないい奴だったっけ。




[*前へ][次へ#]
[戻る]


あきゅろす。
[小説ナビ|小説大賞]
無料HPエムペ!