蒲公英 見つけてしまった感情 [side春] あの日から、妙に蓮を意識してしまう。酒に酔って、挙句の果てに同性の友人とやっちゃったんだから当たり前だよな。蓮が可笑しいんだよ。なんであんなに平然としてるんだ。あいつにとって、俺とのことはどうでもいいことなのか。 「…はぁ」 「お前らしくねぇなぁ」 隣にいた智に呆れた顔で見られる。人間なんだから溜息くらいつくだろ。そんなにいつも笑ってられるかよ。 「うぜえよ」 「…蓮と、なんかあったのか?」 こいつにしては珍しい。明日は槍でも降ってくるんじゃねぇの。 「なんで」 「だってお前等最近可笑しいだろ。お互いがお互いを避けてるし。最近までの感じはどこいったんだよ」 「お前、こんなキャラだったっけ」 「んだよ!!人が折角心配し「なぁ」 「…なんだよ」 「お前ってバイなの?」 何故今そんなことが気になるのか。理由なんて気づきたくなかった。一夜の過ちだって、そう思いたかった。 「まぁ…男もいけるし、バイなんじゃねぇの」 「男とも好きならヤるのか?」 「今そんな話じゃねぇだろ」 「いいから」 「…なんとなくお前と蓮に何があったか分かったかも。仕方ねぇから答えてやるよ。俺は好きな男とならヤるぜ。嫌いなら絶対無理」 「…はぁ」 盛大に溜息をついてヘニャヘニャと座り込む。全身から力が抜けた、って言うのが正しいかも。 俺ってバイなのか 「おい、春。ここまで答えたんだから何があったか教えろよ。まぁ、何があったかはなんとなく想像つくけど。相談くらい乗ってやるぜ」 こいつってこんないい奴だったっけ。 [*前へ][次へ#] [戻る] |