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京七小説

昔々、ある小さな村に、二人の女の子が住んでいました。
年上でメガネをかけたほうの名前は七緒。もう一人は緋真といいました。
ふたりはいとこ同士で、近所の子供たちに字や計算や縫い物を教えたりして、
細々と暮らしておりました。

ある日のこと、この地方を治める朽木侯爵の御曹司、白哉が通りかかりました。
そして緋真と恋に落ちたのです。
白哉は何度も緋真のもとに通い、とうとう結婚の約束をしたのでした。

ところが、白哉の母親、つまり朽木家の大奥さまは、それを許しませんでした。
しかし、どうしても白哉が言うことを聞かないため、大奥さまは強引な手段に出ることにしました。
白哉の誕生日前夜、舞踏会を開き、その場で婚約者を発表してしまうことにしたのです。
優しい白哉のこと。
みんなに知られてしまえば、その婚約者を傷つけないために
素直に結婚するだろうという思惑あってのことでした。



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