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京七小説
思う
 たちまち心がずしりと重くなる。七緒の中で自衛本能が働き始めた。
 これ以上深みにはまってはいけない。
 今なら単なる上司と部下という関係に引き返せるはずだ。
 副隊長としてなら、自分がどうすればいいかわかる。
 書類仕事をこなして、上司である京楽を急がせて。
 これ以外の関係を持てば、自分の居場所を失うことにもなりかねない。

 眠ってしまおう。そうすれば余計なことを考えずにすむ。
 七緒はギュッと目を閉じて布団をかぶった。

 部屋の外に京楽隊長の霊圧を感じたのは、うとうとしかけたときだった。
 足音は全くしない。霊圧も完全に抑えることができるのだから、このように微かに漂うように感じさせるのは、おそらく七緒へのメッセージだろう。
一気に心臓が跳ね上がる。七緒は息を殺して気配を探った。
 京楽は廊下をよどみなく移動してくる。そして足を止めることなく七緒の部屋の前を過ぎて行った。
私は眠いのだ。だから、何も知らない。逃げていると薄々思いながらも七緒は自分に言い聞かせた。

 微かになった京楽の霊圧を探る行為は、七緒にふと、京楽と総隊長と戦った時のことを思い出させた。
あのときも遠くでぶつかり合う京楽隊長の霊圧を必死で感じ取ろうとしていた。
心配で、慕わしくて、失いたくないとそればかり思っていたことを。


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あきゅろす。
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