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京七小説

もしかしたら。
七緒は冷静に考えました。
もしかしたら、私が恋をするだけでなく両想いでなくてはならないのかもしれない。

もしそうでなければ(考えたくないことですが)一生取れない可能性もあります。
七緒は自分で数多くの文献をよみ、「鉢かづき」と呼ばれた女たちのことを
調べていました。
そして、春水もリサも教えてくれなかった例をいくつか見つけました。
鉢を無理やり割ろうとして、鉢をなたで切りつけたところ、大けがをしそれが故で、なくなっった女。
鉢をかぶったまま40歳くらいまで生きたが、その後行方知れずになった女。

幸福なたった一つの例をよりどころにしてきましたが、
成長してからは、悲運の女たちのことばかり思い出します。

七緒は希望のあるほうにすがることにしました。
たしかに春水は日々「可愛い七緒ちゃん」と言ってくれるけど
それは挨拶のようなもので本気ではないのでしょう。
京楽家の坊ちゃんと言えば遊び人として有名だと聞いたこともあります。

離れに住んでいた時には、七緒の部屋にいりびたっていましたが、
あれも母屋にいたくなかっただけかもしれません。

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