王子様
――ツー…―
『…………』
――ヒラヒラヒラ…―
『…………!』
またこのパターン?!
いい加減読者様も飽きたでしょ、このパターン!!
――キーンコーンカーンコーン―
「お、じゃあ今日の授業は此処まで!
きちんと復習しておくように」
『……今日も授業に集中出来なかった』
このままじゃヤバいって…私の成績。
何か良い考えは無いかなぁ…
『うーん……あ!!』
そうだよ!そうすれば良いんだよ!!
うふふ…私って頭良いー!!
***
(次の日)
『ふふーん♪か ん ぺ き !』
パンツの下にはジャージの短パン。
ブラジャーのフックは前フック。
これでアイツ等も懲りるでしょ!
――ツー…―
「……ん?」
『(ふふふ…)』
――ヒラヒラヒラ…―
「……んぁ?」
『(ふふふふふ!)』
アッヒャッヒャッヒャ!!!!(悪魔?)
いい気味!
もう変態のアイツ等も何もしなくなるよね!!(`∀´)ケケ
「……子供騙しじゃな」
『(……ん?)』
「……本当、あめぇよ」
『(…………)』
何か凄く嫌な予感。
――キーンコーンカーンコーン―
どうしよう、どうしよう、どうしよう
これほど授業が終わってほしくないと思ったの初めてですよ。
「それじゃあ今日の授業は此処まで!
きちんと復習しておくのよー」
「「……(ニヤ)」」
『(うあぁあぁあぁーー!!!!(泣))』
ヤバいって!ヤバいって!!
2人の視線がぁーー!!
2人の笑みがぁーー!!(泣)
「和泉?」
『(名前呼び?!)な、何?』
「おらぁ!!」
『にょへぇえぇーー!!!!(//□//)』
何するんだこの二号!!
スカートを両手で上げて、中のジャージを下ろそうとしてるんですけど!!(泣)
『いやー!いやー!いやー!!』
「良いから脱げ!
ジャージなんて邪道だっつーの!!」
『やめろー!変態!!
……って何すんのニモ!』
「プピ?」
『プピ?…じゃなくて!!
ボタン外すなぁーー!!』
「お、ブン太見てみんしゃい」
「あ?って、ウォ!意外に胸でけぇ!!」
「じゃろ?」
『ぎょわぁあぁーーーー(泣)』
気が付けばボタンは胸が見えるまで外されており、私の胸がIt's show time !
そうだ!
千雨!千雨に助けを求め…――
「(パシャ、パシャパシャ)……あ、気にしないで続けて」
何故写真を撮ってるんですかーーーー!!!!
気にしないって…気にするわーー!!
「何?お前着痩せタイプ!」
『し、知るか!!』
「何カップじゃ?」
『誰が言うか!!』
「まぁ、触れば解るんじゃけどな」
『にょぎゃあぁーー!!
い、言うから!言うから!!
Dカップですー!だから触らないで!!』
「うぉ!柔らけぇ!!」(もみもみ)
『いい加減にしろやー!!(怒)』
「うるせえよ!
それよりお前、コレどうしてくれるんだよ!」
『逆ギレ?!……ってなんで起ってるのーー!!?』
「まだ半起ちじゃ」
『そういう意味じゃない!!(泣)
もう嫌ーーーー!!!!(T□T)』
「あ、逃げやがった」
***
『はぁはぁ…』
こ、此処までくれば大丈夫かな…
クソー…
せっかくナイスアイデアだと思ったのにまさか更に興奮するとは…
予想外すぎるよ。
『これからどう「和泉先輩ー!」
『…………』
うん、この学校で私のことを先輩と呼ぶのは彼しかいないはず。
ならば…!!
『…………』(逃走)
「ちょ、なんで逃げるんスかーー!!」
『私は平凡に暮らしたいのーー!!』
普通の人と付き合って、普通のお付き合いをして、普通のデートをして、普通の男女の営みをしてゴールイン。そんな私の夢が…
『ギャッ!!?』
「ヘヘヘ!先輩捕まえた!!」
何故こうなった!?
どこの順番を間違えたの私!
少なくともめったに辿り着かない道通ってるよコレ。
『はーなーしーてー!』
「嫌ッスよ!!」
『なんで!』
「なんでもッス!」
理不尽な!!
もう嫌だ、この人生ルート。(泣)
私の王子様らしき人も現れないし…(痛い)
「赤也」
「へ?」
希望を失いかけ、赤也に身を捧げようと思っていたその時(思っていたのか)
私の頭の上の方から、赤也を呼ぶ声。
「こんな所で、しかも女性の嫌がる事をするのは良くないね」
「げ!ぶ、部長…」
儚げな顔立ち、優しそうな瞳、澄んだ声、癖っ毛のようだけどけして汚さを思わせない髪型、そして気品溢れるオーラ…
「ふふふ…
今日の放課後はいつもの三倍だね」
「さ、三倍!!?
部長…それは流石に」
「嫌なの?
男として最低な事をしていた人が言う台詞かな?(ニコ)」
「すみませんでした」
「分かったなら直ぐに教室に帰りな?(寧ろ帰れ)」
「(こ、心の声が…!)はい!!
そ、それじゃあ和泉先輩!また今度!!」
そう言った赤也はすぐさま此処を後にした。
残されたのは私ともう一人の男性…
「ごめんね」
『……へ?』
「怖い思いさせちゃって…」
『い、いえいえ!大丈夫ですよ!!』
「涙出てるよ」
『え?』
そっと自分の手を目に持ってくると、仄かに湿った感触。
『……気づかなかった』
それは一粒や二粒などの少量じゃないくらいだと直ぐに分かった。
そして触れている手も震えていることも…
呆然としていると“はい”と言う声。
顔を見上げると、その男性の性格を表しているかのような綺麗な白いハンカチを私に差し出していた。
「これで拭いて」
『え!?
そ、そんな!いいですよ!!』
「気にしないで使って
俺の後輩が迷惑をかけて本当にゴメンね」
『…………』
「それじゃあ、またね」
『え!あの、ハンカチ』
「それは君にあげるよ」
その男性は優しく微笑むと、また“じゃあね”と言って立ち去った。
そして私はただただその後ろ姿を見つめることしか出来なかった。
***
――ツー…―
「……ん?」
『(ぽー…)』
――ヒラヒラヒラ…―
「……んぁ?」
『(ぽー…)』
――キーンコーンカーンコーン―
「今日の授業は此処まで!」
『(ぽー…)』
「……どうしたんだコイツ?」
「スカートをパンツ見えるぐらい上げて、ボタンを外して胸全開にしても気づかんとは…
重症じゃの…」
『(ぽー…)』
爽やかな口調、そして紳士的な行動…
『……見つけた、私の王子様』
王子様
(はぁ!!?)
(へ…?って何この格好!!)
(今頃気付いたんか)
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