MAIN 観察...ですか 昨日、沢田綱吉を観察するよう自分に命じたのは自分の隊の隊長である日番谷冬獅郎隊長あった。 「観察、ですか。」 「あぁ。 ないとは思うが、不審な点があれば報告してくれ。」 「沢田は何か問題でも」 「いや、そう訳じゃねえんだが...。」 「....了解しました。」 「頼んだ。」 不審な点。 沢田綱吉。 新入隊員。 ものの数週間でこんなにも此処に溶け込んでしまった不思議な少年。 見た目としては現世年齢は15歳くらいだろうか。 改めて行動を見てみると、所作の節々から育ちの良さが伺える。 どこの出身か聞いたことはないが、流魂街ではないのだろう。 どこか六番隊隊長のような風格を匂わせる。 7:00 沢田綱吉が目を覚ます その数秒後、布団の中に千花白蘭がいることに気付き、殴り飛ばし、千花白蘭が壁に顔からめり込んだ 布団の中にある朝顔に呆れ顔を零し、潰れていない花だけ女性隊員に配っていた 女性隊員からの密かな人気はこういった行動からだと思われる 8:00 食堂にて鮭定食の後に珈琲を飲んでいた 砂糖を4杯いれるほどの甘党のようだった 飽和して砂糖がコップの底に残っていた 10:00 隊社に出勤 書類を渡された後、即座に書類に取り掛かる 今日の分の書類を凡そ一時間で終了 隊長室へ入室したまま一時間経過後、松本副隊長と共に食堂へ向かう 14:00 昼休憩終了後、松本副隊長を隊長室に放り込み何事もなかったかのように隊務へ戻る 机上整理の後、他隊員の書類の点検・手伝いなど 質問に対する受け答えも完璧で、社交性に優れているようで気前も良い 15:30 退社後、隊社には戻らず途中遭遇した草鹿副隊長を肩車しながら十一番隊へ向かい、滞っている十一番隊の隊務を補助 強引に稽古に誘おうとする斑目三席を殴り椅子に座らせ、書類を書かせ、同時に沢田綱吉も事務補助を開始する 斑目三席以外の隊員は沢田綱吉の姿を見た途端顔色を変えて慣れない事務に取り掛かり始めた 16:00 書類を終わらせた斑目三席に道場へ強制連行される 雰囲気からするに、これが初めてではないようだ 沢田も斑目三席も竹刀を持たない体術勝負である 開始してものの数秒で仕掛けた斑目三席を沢田は見事にあしらっていた 動きは合気道に似ているが自己流だと思われる 16:30 試合開始から凡そ三十分が経過 数十回と投げ飛ばされた斑目三席に対し、傷一つ、息切れ一つしていない沢田綱吉が癪に触ってしまったのか、斑目三席が竹刀を手に沢田綱吉に襲いかかる 次の瞬間、沢田綱吉は素手で竹刀を真っ二つにした ひ弱そうな見かけによらず、力は相当なようだ 18:00 斑目三席、綾瀬川四席に加え、“双児の女鬼”の異名を持つ桃林杏と桃林李と共に食堂へ向かう 桃林姉妹とはかなり親しい間柄のようで、両腕に抱きついたまま移動していた 20:00 食後に他の者と別れ、流魂街へ散歩へ向かう 22:00 約2時間ほど見失った後、十番隊宿舎にて再び発見 煙管を蒸かし、約一時間後に就寝 「日番谷隊長もバカだよね! 綱吉クンをこんな一般隊士なんかが気付かれずに尾行なんでできる訳ないのに!」 「.....まあいいよ。 気づけてたからの対処もできたし。」 「そうダネ。」 (気付かれてはならぬ) (悟られてはならぬ) 次へ [戻る] |