MAIN 俺を 今回の隊主会の議題は海外任務について。 今迄何の問題もなかった海外の某所で異常な数の整の魂魄が発生しているということで、対処をすることになった。要約するとそんなところだ。 「海外任務に就く隊士を募集する! 強制はしない。俺らにとっては未開の地だ。 希望者は言いに来るように。」 隊員を集めた部屋でそれだけ言った。 「俺を海外任務につかせていただけませんか?」 「沢田が?」 「はい。」 「.....。」 「どうでしょうか?」 何度か本格試合をみたことがあるが、戦闘力も判断力も申し分ない。 初解も習得済みだと聞く。 「....何を急いでいるのかは知らねえが、この任務を一任してるのは六番隊だ。どうしてもと言うのなら六番隊に話はつけておくが。」 「ありがとうございます。」 お願いしますと言いながら軽く頭をさげる。何を急いでいるのか、何を急ぐ必要があるのか。頭の中で試行錯誤しながら、出て行く沢田の背中を見つめていたらぼそりと声が聞こえた。 「時間がないかもしれないんです。 あいつらはまだ向こうにいるから。」 失礼します、と言って完全に部屋から姿を消した沢田。ちらりと見えた横顔は普段の温和な性格からは想像できないような、ひどく冷めた、真剣な顔だった。 あいつは自分から過去のそういった話をしようとしない。例え訪ねたとしても上手くはぐらかされてしまう。 気になることはいくつもある。 (だけど) 次へ [戻る] |