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今日も変わらず地球は回る
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修学旅行最終日、午前中は全員で見学して、もう帰る新幹線の中。
行き同様、私の周りは賑やかだ。
生徒の半分以上は疲れてか寝てしまっているというのに……ホント。

「元気だなぁ、みんな」

苦笑を浮かべると、横の海里が「ん?どしたの?」と顔を向けた。

「元気だね」
「だって、家に帰るまでは修学旅行終わらないもん、ギリギリまで楽しまなきゃ」
「フフッ、海里らしい」
「ほらほら、次彩音だよ」
「うん、じゃあはいこれ、スキップ、で、ウノ!」
「え、ちょっとぉ!」

私の手元に残るカードを見て、海里が頬を膨らませた。

「さっきからアタシ、彩音にリバースかスキップしか出されてないんだけど!」
「うん、わざと」
「なんですってぇ!?」
「もー海里うるさい!次、彩音」
「あ、ラッキー!上がりー」
「えええ!?」

最後の一枚を置いて、やったーと手を挙げると、海里が恨めしそうに私を見た。

「彩音〜!」
「罰ゲームはアイス奢りだったよね〜」

ふふんと笑うと海里はがくりと肩を落とした。



最寄り駅に着く度に少しづつ生徒が減っていき、途中で海里や雪奈とも別れ、私の家の最寄り駅(つまり学校の最寄り駅)に到着した。

「彩音、バイバイ」
「バイバイ!」
「バイバイ、桜、紅葉」

皆に別れを告げて電車を降りる。改札口を出て、雅治に向き合った。雅治の家は、うちとは駅を挟んで反対だから。
荷物を持って行く、と言ったけど、雅治もきっと疲れてるだろうし、私はこの後用事もあるからと断った。
残念そうな顔がちょっと可愛と思ったのは秘密にしとこう。

「彩音、明後日学校でな」
「ん。明後日ね、雅治」

そして大きな荷物を担いで数分で着くマンションへと向かう。
この数日の出来事を思い出し、思わず顔が緩んだ。

「楽しかったなぁ」

明日は振り替えで学校が休みだから、今日は片付けたら東京の家に行くのだけど。

「少しゆっくりしてから行こう」

撮った写真のカードをフォトフレームに移す。
次々に流れる思い出を眺めながら、あったかい紅茶を啜った。



(090820)

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