2 #02 …居ない、か。 そう思いながらも、信志はもう一度辺りを見渡す。しかし、やはりそこに居るのは無邪気に遊ぶ子供達とその親達だけ。 う"ッ…… 信志は一瞬よろめいた、様に見えたがすぐに体勢を立て直した。しかし、その姿、表情には今にも壊れてしまいそうな弱さがあった。 ハァッ、ハァ…駄目だ。帰ろう、これ以上ここには居られない。 少しふらつきながらも信志は公園に背を向け、何かに怯えた様に、何かから逃げ出す様に歩き出す。 信志は来た時と同じように人を避け路地裏を通る。昼間でもひっそりと静まり返った路地裏を。 [前へ][次へ] [戻る] |