猫目堂
baby, baby, baby@
baby, baby, baby
7th ―翼あるもの―
カランカラーン……
木の扉を勢い良く開けて入ってきたのは、一人の可愛らしい少年。
金色の髪を楽しげに揺らしながら、軽やかな足取りでカウンターへと近づいて来る。
「久しぶりだね、ラエル、カイト」
「元気そうだね、アラエル」
「そんなに慌てて、いったいどうしたんだい?」
「子供が出来たんだよ」
思いがけないアラエルの返答に、
「「え――?」」
ラエルとカイトは思わず我が耳を疑った。
「子供って、つまり……」
恐る恐る尋ねるカイトに、アラエルは瞳をきらきらと輝かせる。
「ついに生まれたんだ。もう僕、嬉しくってさ」
「あ、ああ。それはそうだろうね」
ぎこちなくラエルは頷く。
「うん。あまりにも嬉しかったんで、ラエルとカイトにも報告しようと思って。ほら、二人にはいろいろとお世話になったしさ」
にこにこと極上の笑顔を浮かべるアラエルを見て、ラエルとカイトは複雑な表情で顔を見合わせる。
そんな二人の様子に、アラエルは不思議そうに首を傾げる。
「どうしたの?二人とも喜んでくれないの?」
「いや、そういうわけではなくて……」
「何て言うかさ……」
言葉を濁す二人に、アラエルはますます不審そうに眉を寄せる。
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