[携帯モード] [URL送信]

しろの小説(長編)
対立と一時休戦

「せっかくだし林檎剥こうか。食べるよね?苺やデザートとかもあるから食べたかったら言ってね」

「とりあえずそのナイフ一回洗ってきた方がいいんじゃねーか?」

「んー、それもそうだね」


「ところでよォ…おめーら、敵同士のワリには馴染んでるよな」

「そうか?」

「まァ、今は緊急事態だしな」

「一時休戦ってトコだな」

「確かに俺ァ、メンドー事はゴメンだとは言ったが、優先順位おかしくね?」

「お前の一大事に争ってる場合じゃねェだろうが」

「いや、そもそもそれが……まァいいや、どーでも。っつかもうツッこむのもだりィ」

「それがなけりゃ今すぐにでもコイツを粛正してぇところだがな」

「言うじゃねェか、幕府の狗が。しかし奇遇だねェ。俺も同じことを考えていたところだ」

「はーい、ストップストップ。やるなら外出て俺とは関係ないところでやれ。じゃねーと二度とうちの敷居は跨がせねーぞコノヤロー」

「な〜んか楽しそうだねぇ。血祭りに上げるんだったら俺も手伝うよ?」

「あ〜…。金時、これ以上事態をややこしくさせるようなこと言うな。それにお前が言うと冗談に聞こえねーんだよ」

「冗談じゃあないんだけどなー。…あ、林檎切ってきたからどーぞ。皮全部剥こうかなとも思ったんだけど」

「ウサちゃんリンゴ?」

「銀ちゃんの顔見たらなんかこっちの方がいいな〜って思って」

「…どういう意味だ?」

「そのままだろ」

「可愛いものには可愛いものを…か。ククッ、てめぇ分かってるじゃねぇか」

「別に高杉に褒められても全っ然嬉しくないんだけど」

「あーもー、何でもいいよ。じゃあ、食うぞ」


[*back]

10/10ページ

[戻る]


あきゅろす。
[小説ナビ|小説大賞]
無料HPエムペ!