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小説2 (鬼×神と人のハーフ) 完結
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〈来る!〉

右から飛び込んできた下妖をかわしざま、左手を振る。

左手の平から、青色に輝く剣が現れた。

正面から覆いかぶさるように飛びかかってきた下妖に、剣を叩きつける。

「ぎゃあっ!」

耳をおおいたくなるような悲鳴とともに、一匹が跡形もなく霧散した。

主夜の瞳には、紫陽を見ていた時のような優しさは無い。
獲物を追う野獣のような光があるだけだ。

「ぐえっ!」
剣を返しざま、左から来た下妖を切る。

残る二匹がじりじりと間合いを詰めてきた。

一匹がふわりと飛び上がり、もう一匹がふっと掻き消える。
〈下か〉

地面に剣を突き立てた。
「ぎゃ!」
手ごたえがあった。

地面から剣を引き抜いていたのでは、上からくる下妖に間に合わない。

そのまま右掌を、下妖に向かって突き出す。
「刺」

主夜の呼び声どおり、無数の針が右掌から飛び出し、下妖が一瞬、針山のようになる。

「ぎゃあああぁー」

4匹の下妖を倒すのに、3分とかからなかっただろう。

剣が主夜の左掌に吸い込まれ、結界が消えた。
あたりの景色が戻ってくる。

空き地の隅でひざを抱えて座っている紫陽の姿を見て、主夜の瞳に再び優しさが戻る。

「終わったぞ」
その声に紫陽が顔を上げた。
大きな瞳が揺れている。

「どうした、怖かったのか?」
紫陽は首を横に振って見せる。

主夜の胸に、ふと不安がよぎった。

「下妖を消滅させた俺が、恐ろしくなってしまったか?」

問いを口にしながら、もしここで紫陽が頷いたら、なぜか自分はひどく傷つくだろうと考える。

「ちが…いますっ」
紫陽が勢いよく立ち上がり、主夜の腕の中に飛び込んできた。

反射的にしっかりと抱きとめる。

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あきゅろす。
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