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小説2 (鬼×神と人のハーフ) 完結
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「黎さま、笑いすぎです」
黎をたしなめながら、星も笑いが隠せないようだ。

「主夜ったら、どこを見ていらっしゃるの?わたくしは、紫陽がかわいらしいでしょうと言ったのですわ」

珍しく、桃子がむきになって言う。

「ん?ああ。…そう、小動物の仔のような、邪気のない顔をしているな。人の血が入っているからだろう、我々よりもずっと成長が早いようだ」

神や鬼は、人間よりもずっと寿命が長い。
そのため、成長も加齢も緩やかだ。

生まれて100年で人の20歳ほどの姿になり、それからはもっと緩やかに年を重ね、500年で人の25歳と同じくらいだ。

主夜が紫陽の年齢には、まだはいはいをしている頃だった。

「し…主夜」
桜子の声にそちらを見れば、笑いすぎて涙を拭っている。

「大人なんだから…、も、もう少し気の利いたこと言いなさいよ。桃子に失礼でしょう」

そう言うと桜子は、体を二つ折りにして笑い始めた。
その背中を、大丈夫?というように、月の大きな手が擦っている。

「そうか。桃子、すまない」
失礼だと言われて、素直に頭を下げた主夜に、桃子はそっとため息をついた。

「仕方ありませんわね。主夜は昔からこうでしたもの。あなたの本当を知ったら、女性は誰もお付き合いしませんわ」

〈俺としては、そのほうが楽なんだがな〉
主夜はひそかにそう思う。

「どこからお話したら、いいのかしら…」
首を傾げて考え込んだ桃子に、ようやく笑いを収めた桜子が、

「こういうことはね、核心から言ったほうが早いのよ。…主夜、珠が目覚めたわ。珠の宿り手が出たのよ」

「ほう、よかったじゃないか。珠の宿り手が出たということは、遠からず玉の宿り手も出るということだ。これでいつ妖が力を取り戻しても、安心だな」

「それが、あまり良くないのですわ」

桃子がテーブルの上の紫陽の写真に目を落とし、困ったようにほほ笑む。

「桃子、まさか…」
「そのまさかですの。珠の宿り手は紫陽ですわ」

「だが、その子は半分人間だろう。どうして宿り手になれるんだ」

「…“生誕の祝い”は知っているでしょう?たしか、鬼界にも同じような儀式がありますわね?」

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あきゅろす。
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