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小説1 (高校生狼男×高校生占い師) 完結
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「ん…」
舌をからめとって吸う。
胸が、痛いくらいにドキドキしている。
何度、こんな夢を見ただろう。

唇を離して、大きな瞳をのぞき込んだ。
「な…ん…で?」
とぎれとぎれに言葉をつむぐ唇。
顔が真っ赤になって、肩で息をしている様子が、たまらなくかわいい。

「何が?」
「なんで?同情なんかでキスしてくれなくていい」

「俺は同情でキスするほど、優しくない。雅の“好き”と俺の“好き”が同じだったから、キスしたんだ」
「う…そ」

「嘘じゃない。俺は小さいころから雅が好きだった」
「だって、この前、学校の中庭で大河原さんと…」

あれを見たのか。
教室の窓からだったら、抱き合っているように見えたかもしれない。

「あれは、彼女が転びそうになったから、支えただけだ。キスしたいと思うのは、雅だけ」

顔中に俺のキスを受けながら、雅はぼうっとしている。

「?聞いてるか」
「あ…、うん…、信じられなくて」
「俺が嘘を言っていると思う?」

「そうじゃなくて、夢みたいだから」
「俺もだよ」
もう一度、今度は優しく唇を重ねる。

舌で上あごをなぞってみると、細い肩がふるっとふるえた。

俺とのキスが気持ちいいと思ってもらえるように、口内を丹念に愛撫する。

雅を気持ちよくするはずのキスが、俺の快感をあおる。
腰がぞくぞくして、ペニスが痛いほど張りつめているのがわかる。

「れ…ん」
キスを止めると、大きな瞳が開いて、俺の名を呼んだ。

本人は無意識なのかもしれないが、雅のすべてが俺をあおる。

我慢できなくて、桜色の耳朶を口に含んだ。
「あっ…」
かわいい声だ。

首に唇をすべらせる。
なめらかで、きめが細かい。

舌を出して、たったいま唇をすべらせた場所をなぞる。

狼の習性なのだろうが、雅の肌に唇や舌をつけて舐めることが、たまらなく楽しい。

パジャマの襟元から、きれいな鎖骨がのぞいている。
ボタンを一つだけ外して唇を押し当て、少しきつく吸った。

「あっ…」
赤い跡がつく。
それを指でなぞると、くすぐったそうに首をすくめた。

雅じゃないが、本当に夢のようだ。

もう一つボタンをはずした。
透き通る様な真珠色のつやのある肌。
そこに、美しいピンク色の飾りが二つ。

あまりにきれいで、手をすべらせながらため息が出た。
ここに唇を押し当てたら、雅は嫌がるだろうか。

「蓮」
静かな声で呼ばれて、はっとした。
夢中でボタンを外してしまったが、雅の許可を得たわけじゃない。

ついさっき斎藤に襲われて怖い思いをしたばかりなのに、ここで俺が行為に及んだら、嫌われてしまう。

「すまなかった」
パジャマのボタンを留めようとした俺の手を、雅の両手がつかんだ。

「そうじゃない。…灯り、消して。それから、僕だけ裸になるのは恥ずかしいから…」
蓮も脱いで、と言う。

「そんなことをしたら、途中で止められなくなる。お前を滅茶苦茶にしてしまうかもしれないぞ」
「いいよ。蓮になら、なにされても」

もう駄目だ。

雅が途中で気持ちをひるがえして、もう止めてと言ったとしても、引き返してはやれない。

部屋の灯りを消して、服を脱ぎ捨てベッドに入る。
俺の目が暗闇でも見えることを、雅は知らないのだろう。

毛布の中でごそごそとパジャマを脱いでいた雅が、腕の中に入ってきた。

肌が触れ合うと、それだけでいきそうになる。

優しく、傷つけないように抱かなければならないのは分かっているが、そうできる自信がまるでない。



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