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十五年越しの殺意(外村駒也)完
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「参りましたね、警部。後5日の間に解決しろ、だなんて。部長の言うことには無理がありますよ、全く。」
 翌朝、武井は小川に、神田部長に命じられたことについて話した。
 小川はそれを聞いて、今にも不満が爆発しそうな勢いであった。
「だいたい、犯人の目星すら立っていないのに解決にはまだ程遠いですよ。目星が立っても、それからアリバイや動機を調べなければなりませんし……」
 小川がそこまで言ったとき、武井の電話が鳴り響いた。
「もしもし。ああ、元西君か。」
「警部、今からそちらにお伺いしてもよろしいですか。」
 電話の向こうの元西は、だいぶ切羽詰った様子である。
「私は構わないが、一体どうしたんだい。」
「まだ、アリバイについては調べていませんが、主犯に成り得る人を見つけました。可能性はほぼ100%と見て間違いないです。」
「そいつが今川周平だということか。」
「はい、そうなります。恐らく名前を言っても分からないと思うので、そちらに着いてから説明します。」
「だいたい何時くらいになりそうかい。」
「そうですね。今が9時ですから、11時には間違いなくそちらに着く筈です。」
「そうか、一応周囲に気をつけてきてくれ。」
「……」
 しかし元西は既に、電話を切ってしまっていた。
「犯人が分かったということですか。」
 と、小川が聞いた。
「ああ、どうやらそうらしい。詳しいことは聞いていないがね。」

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