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十五年越しの殺意(外村駒也)完
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 その頃警視庁では、身代金の運送に使用された車を、全国単位で手配したところだった。1台は石川県内に入ったところまでは、尾行で確認されているが、関越自動車道で撒かれた1台に関しては行方不明だったからである。しばらくして、案の定、石川県警から連絡が入った。電話は、武井警部の部下の、岡部刑事が受けた。
「こちらは、石川県警の大倉です。連絡が入っていました、横浜ナンバーのシルバーのライトバンが2台、石川県の和倉温泉の近くで発見されました。横浜500の37-44と、28-63ですよね。」
「はい、そうです。車内はどのような状況でしたか。」
「全くもって空っぽでしたね。指紋が残っている様子はありません。ただ、毛髪が何本か落ちていたので、鑑定にまわしています。結果が出ましたら、報告したいと思います。」
「わかりました。どうもありがとうございます。」
 と、岡部は言った。
「やはり、石川県か。しかし、松田は石川県と所縁がある訳ではないしな。近藤夫妻の方はどうなのだろうか知らないか。」
 と、武井は小川に聞いた。
「さあ、そこのところは調べておきましょう。しかし、近藤夫妻はいつになったら解放されるのでしょうか。もうだいぶ経っていますから。」
「今は成り行きに任せるしかない。ただ、吉岡と岡部の二人を和倉温泉に派遣するつもりだ。現地での聞き込みと、向こうの県警への挨拶をしてもらおう。」
「私は行かなくてもいいのですか。」
 と、小川が聞いた。
「ガワさんにはいろいろ手伝って欲しいんでね。それに、私ひとりでは力不足かもしれないからね。」

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