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十五年越しの殺意(外村駒也)完
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「しかし、警部。よかったですね。事件が解決して、何事も丸く治まって。」
「何を言っているんだ、ガワさん。6人も殺されてしまったじゃないか。」
「確かにそうですけど、栗原の殺害は未然に防げましたし、元西さんもちゃんと快復したじゃないですか。」
 と、小川は言った。
 鈴木が逮捕されて、県警の方針が間違っていたと知るや否や、原口警部は元西を呼び戻し、さらに警部補に昇進させようとしたのである。
 だが、結果として、元西は原口の要求を断り、私立探偵として自立していくことを決めていた。
「それに、もう一つめでたいことがあったじゃないですか。」
「何だね。私は聞いていないが。」
「県警の杉山刑事ですよ。来月に元西さんと結婚すると言っていましたよ。」
「そんなことは聞いていないぞ。」
 と、武井は目を丸くした。
「だがそれは確かにめでたい……」
「警部、事件が起こりました。世田谷で一家4人が死体で発見されたそうです。」
 会話の最中に、吉岡が駆け込んできた。
「分かった。今、行くよ。」
 と、武井は苦笑いして、部屋を出た。
「新しい事件か。そう簡単に、平和になってはくれないみたいだね、ガワさん。」

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