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War Chronicle of Toskiel(紺碧の空)完
:砲撃
「洋上に艦隊を確認!」
「ラインハルトか、助かった!」
フェルドランスはいじりすぎて半分ほど抜いてしまったあごひげを振り回してラインハルトの姿を探したが、だんだんと姿を現したのはトスキールのものより遥かに巨大な戦艦だった。
「まさか……」
「無敵艦隊です! でかいのが増えてます」
「いや、待て」
いつの間にか桟橋の上まで来ていたヴェスヴィオスが決定的なものを発見した。
「ラインハルトも一緒だぞ」
その時、爆音とともに城壁が崩れ落ちた。帝国の重砲に破られたのだ。破片が空に舞い上がり、民家に降り注ぐ。
「まずい、敵が突撃してくるぞ!」
「全軍港へ集まれ! 防御円陣」
港へと全速力で後退を始めた公国軍の真上を、砲弾が幾筋も通り過ぎていった。そのままコスクを飛び越し、帝国陣地に着弾する。
「何だ!?」
「艦砲射撃だ!」
見ると、港に到着したトスキール艦隊が主砲を連射していた。湾外で待機しているローゲン艦隊は手を出す気配がない。
「一体何があったんだ……?」
「そんな事はどうでも良いだろう、フェルドランス。やるぞ」
「は、はい! 全軍、混乱に乗じて帝国を蹂躙しろ!」
公国軍は進行方向を半回転させ、帝国の弾幕の中へ飛び込んでいく。城壁に開いた穴を最初に逆に突破したのはトルカセニレの義勇軍であった。
「行け、行け、行け!」


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