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War Chronicle of Toskiel(紺碧の空)完
:乱心
「貴様などにこの国を渡すことはできない。いや、断じて渡さん!」
「陛下! おやめください! カリギュラ殿、少しお時間を……」
宰相は公王の首をひっつかむと、大混乱の会議室を抜け出した。
「どういうおつもりです! このまま戦を始めては、公国の民は皆殺しにされますぞ」
会議室前の廊下に、ナイファーの声がこだまする。
「やれやれ、どうしたってんだい?」
海将も現れた。
「オレは、あんな奴等にこの国を渡したくないんだ」
「それは、お前の私情だ!」
ナイファーは怒鳴った。
「陛下のそれだけの理由で、国民を犠牲にはできんのだ」
「あんたこそ、わかってんのか、アルバート?このまま国を明け渡してみろ。それこそ、どれだけの人々が犠牲になるかわかったもんじゃない」
「それは……」
確かに、ネイツ(いまはトルスだが)の国民の多くは、強制労働と治安の悪化に苦しめられている。


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あきゅろす。
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