War Chronicle of Toskiel(紺碧の空)完 :宣戦 「だが、それとこれとでは話が違う。戦っても、死んでしまったら元も子もないではないか」 「わかっている。オレには、考えがあるんだ」 「僕も、陛下に賛成!」 「フェルドランス!?」 「俺様も、このまま負けを認めるのは性に合わん」 「どうだ、アルバート?」 「……承知いたしました。後悔することは、ありますまい……先ほどのご無礼、お許し下さい」 「おい、お客さんが呼んでるぞ」 カリギュラの伴者が扉から覗いていた。四人はきびすを返して会議室へと戻った。 「遅いぞ、何をしていた? 小国が帝国と和平を結ぶのにこんなに時間がいるのか」 「その和平協定、破棄させていただきます」 「なんと!?」 「トスキール公国は、ローゲン帝国に宣戦布告する!」 カリギュラは、この男の変貌ぶりにたじろいだ。見れば、大臣たちまで態度がかわっている。 「お……お前たち、何を言ってるかわかっているのか?」 「そうさ、俺たちもそんなに馬鹿じゃない。自分の言った事ぐらい理解しているさ」 ラインハルトが凄みを利かせる。 「とまあ、そういう事だから、荷物まとめてとっとと帰りな!」 「わかった。それがお前たちの返答だな!今に後悔しても、取り返しはつかんぞ」 それだけ言うと、使者は部屋を出て行った。 世に言う、第四次トグレア戦役の始まりである。 [*前へ] [戻る] |