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縹(禮晶)完

「あの女人は誰だ?」
敬語を使おうとしない縹だが玉は気にしていなかった。
何故か敬語でなくて良い気がするのである。
「女人?あぁ、義母上…沙華(サカ)様の事か。父上の第二妃で、 
 私の母の亡き後に正妻となられた方だ。」
「陽という親王よりよっぽど良い御方そうだな。」
「陽叔父は金と権力には不自由していないのだろうが、知性と品格には大分事欠いているらしいからな。」
口の悪い皇太子殿下だ。…本当に面白い奴だと縹は思った。
「義母上は先年、御子を流行病で亡くしたばかりでな…本当にあれはお気の毒な事だった。」
「皇族は身内が自然死すれば喜ぶ者ばかりなのかと
 思っていたが……どうやらそうでもないらしいな。」
思わず縹は本音を口に出していた。
「そうだな。それも皇族の真実だ」
皮肉そうに玉は呟いた。


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あきゅろす。
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