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妖(和麻)完
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「全く、ここら辺は雑魚ばかりで腹の足しになりゃしない。この分だと保って一週間だな」
少し苛立った声が夕日の差す雑木林にする。彼は諦めたようにため息をついて歩き始めた。
 しばらく歩くとコツンと何かが足に触れた。何かと思い拾い上げると白い生地に赤い縫い目のある手のひらに収まる程度の球だった。
「誰だよ、こんな所に。全くだからごみが増えるんだよ……」
彼はパッと顔を上げた。その顔には先ほどまでの諦めの表情はなく、口元に不敵な笑みが浮かんでいた。
「なんだ。強そうなのがいるじゃん」
そう言うと彼は目で捉えられないほどの速さで目標物の方へ飛んで行った。


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あきゅろす。
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