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副シャン
【群青の海】後編


時代は正に大海賊時代
不測の事態が起こったって不思議じゃねぇ
なのに…何で俺は安堵なんか抱いちまってたんだろうか…

何でベックマンは…大丈夫と…












―――――――――

「敵襲だ〜!!」
「わあっ〜!!」

襲って来たのは無名の海賊
しかしながら圧倒的な強さを見せつけ船を襲い来る
だが、こちらとて力の在るシャンクスやベックマンを筆頭に戦えば敵の力は差ほど目ではなかった

大体の雑魚を片付けベンが敵の頭である船長を捕らえると、その男はシャンクスに助けを乞いへこへこ頭を下げ始めたのだ

「頼む!後生だ助けてくれ!!アンタ達が赤髪だなんて知らなかったんだ!」
『…だからと言って今更タダで済む訳が無い』
「お願いだ!もぅ戦意なんて無いんだ!頼む!頼むから命だけは?!」
『…ベンちゃんもぅ大丈夫じゃねぇ?これだけ痛めつけときゃこれ以上悪さもしねぇだろう』
『アンタって人は…何処迄人が良いんだ?どんな理由があろうとアンタに刃を向けたんだ…それだけ…で…?!』

その時だった…


小さくサクッと鈍い音がすると、ベンの表情が固まり同時に捕らえていた男が隠し持っていたナイフを振りかざし翻し、ベンを後ろから羽交い締めにしていた

一本は首筋に当て…
二本目は…みぞおち辺りに刺さったままで…

空気が一瞬で変わった
形勢逆転








アノ時と同じに…









『…ベン…ちゃ…ん…?』
「フハハハハ!!噂通り馬鹿が付く程の甘ちゃんだなぁテメェ!誰がこんな所で死ぬか!」
『…ハァハァ…シャ…ク…悪…い…』
『ベン…ちゃん?!』
「どうせ端から皆殺しにする予定だったんだ!先ずはテメェがした様に、右腕のコイツを目の前で始末してやんよ!!」

目の前に広がるのは、身体に刺さる一本のナイフ
そのナイフからは肉を切り裂いて出た真っ赤な滴が刃を伝って滴っている光景だ

途端に俺はフラッシュバックで息が止まった…

アノ時もそうだった…

海賊の旗を掲げ海に出て初めての中間を…自分の甘い考えのせいで目の前でいたぶり…殺された…

なのに…


俺は…何をやって…


『止め…ベンちゃんを…離…せ…ヒュッ…』
絞り出した言葉も吸えない息のかぼそい音に消される

「ヒャハハハハ!ざまぁねぇなぁ!おぉ?赤髪の船長さんよー?」
『ハァハァ…ヒュッ…う『お願…だ…そいつを…離…せ…』
「どうした?自慢の男前の面が真っ青だぜ!ハハハ!」
『…シャン…クス』

また息も吸えず嫌な汗が体を纏いシャンクスの動きを止めていた…
だが…

男のナイフがベンの首筋をツーと伝い鮮明な赤が滲んだ途端、自分の中の血管が弾け飛んだかの様に体を動かしていた

「?!なっ?!来るな?!こっちに来るんじゃ?!コイツがどうなっても?!グワァーー!!」







気が付くと…俺は奴のナイフをベンの首筋から滑らせ奪い取り、そのまま男の喉元めがけ突き刺していた…

『ハァハァ…ハァハァ…』
『ベンちゃん?!ゲハッ…ハァ…だ…大丈夫か?!』
『…ハァ…あぁ…アンタのお陰で…助かった』
『……悪い…悪いなぁベンちゃん…俺の考えが…お前迄こんな』

そこへ事態を聞き付けて駆け付けたルゥは状況を察知し、何も云わず直ぐ様船医を呼びに戻って行っていた

『俺が…ハァハァ…俺が!』
『…アンタはそれで良い』
『何が良いんだ?!俺がもっと?!』
『そんなアンタだから…俺は側に居るんだ…』
『?!…ベ…ちゃ…?』
『アンタはこの先も…そのまま…の優しい人間で…居てくれ…その分俺が…悪役を駆ってでて…やるさ』
『…ベンちゃん?!』
『だから…俺の為に死ぬ様な事は…しないでくれ…アンタの夢の様に自分の犠牲になんて泣かないでくれ』
その瞬間…今までの悪夢から解放される様な気がした…

そして今、ベンちゃんと俺は片時も離れず肩を並べ生きて居る










まだ全て明けてはいない俺の空は深い深海の底を写した様な群青色の海を照らしている

ただ…其処に差す光が、青の色を鮮明にする為に燦々と時には浄化する様に俺の青を包み込んでくれて居る

―終わり―




【あとがきと云う名の反省】
いやぁ…御待たせしすぎですんません白秋さん(>人<)
頂いたお題(リク)恰好良い副シャン……それがどうですか奥さん?!恰好えくなる前(いや生まれながらに恰好良いとは思うが)のお頭に?!ってか指針を見付ける前の出来事に(爆)本当にすみません(;¬_¬)
しかも読み手に読み取り難い作品になってしまった気が(>_<)
でも本人大満足なんです(笑)(^^;ほんとこんなんで宜しいのかなぁ?(@_@;)スゲー心配っすよん?!



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