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ゾロサン×サンゾロ
瑠璃色の花-愛を込めて
歓喜を上げ賑わういつもの船内
眩いばかりの太陽宜しく、サウザンドサニー号は相も変わらず浮かれ気分な航海の真っ只中

中でもひとり、日々食材泥棒と戦う海のコックさんがやけに今日はソワソワフワフワ上の空

なんてったって今日は…




アイツの誕生日
腹巻き剣士がこの世に生まれ落ちた日


船員達の騒がしさにも一役買い皆でご馳走の話を始めるも、我らが船長筆頭に夜迄待てない勢いの様子

そんな中、当の本人周りの雑踏いざ知らず蜜柑の樹の下大イビキ

賑わう雑踏も心地好い音色の子守歌に相成って、起きる気配は更々無い

でも…やっぱり1人…皆の目を交い潜りその周りを行ったり来たり…チラチラ見たり行ったり来たり…





『…………ゴニョゴニョ』






―――――――――

『…ンッ…ふあぁ〜あ』
陽当たり良好光合成な眠りから覚めふっと瞼を開けると、手のひらに覚えの無い柔らかな感触

『んあ?…何だこりゃ?』

陽の光で暖かくなった手のひらに一輪の瑠璃色の花

太陽と甘い匂いのする花

ほのかに淡い余韻を残し起き抜けの脳裏に先の夢が蘇る




夢うつつ
幻か否か色鮮やかな瑠璃色の一輪の花
まるで香りを放ちそうなその花は、ふわふわ舞い降りた黄色い鳥が落として行った物
夢半ば柔らかな感触と甘い匂いに目を覚ました事を思い出す

『………コックか』






ふわふわそよぐ春待ち風に乗って堪らぬ程に甘く感じる花の移り香に…愛しい者の特別な時間が待ち遠しいコックさん







夢から覚める直前に聴こえた自分だけにしか聴こえぬ小さな声

『生まれて来てくれて…クソ有り難な♪』

夢か現か愛しい声
その言葉に剣士は1人ボソッと呟いた




『フッ♪…あほコックが♪』

こんなプレゼントも悪くは無いと笑みを漏らし何気にまた風の音に合わせ眠りに落ちる


瑠璃色の特別な香りがもたらすそんな幸せな時間

―終わり―


――あとがき――
『雨のち君』のゾロ兄やんサイドのお話です♪
微妙にゾロ兄やん寝てばかりですけどねぇ(^.^;(笑)
何だかんだツンデレ過ぎなサンジ君に愛され過ぎてれば良いと思う今日この頃(笑)♪


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