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10 NOvEL 05
もしもそれが俺ならば R18



しとしととふる雨。
アスファルトが水を吸った匂い。案外、嫌いじゃねえ。

今は万事屋へと向かう道の途中。

紅桜の一件を真選組が処理し、漸く休暇がとれた。
山崎の調べでわかったことだが、あいつも…いや、あいつがおおいに関わっていたらしい。


「くそッ…」


得体の知れないもやもやが、心中を支配する。
これはなんだ?わからねえ

いっそこの雨と一緒に洗い流してくれりゃいいんだが…


悩んでいるうちに、目的の場所へと到着した。
通いなれたその階段、扉をあけると直ぐに見える応接間。

会いたい。だが会いたくない。

今のあいつに会ったら、たがが外れてしまうような気がする。


俺がもんもんとしている最中、急に扉が開いた。


『あれ、土方さんじゃないですか。どうしたんですか?銀さん待ってますよ?』

『あ…おう。邪魔する』


出てきたのは志村弟。
扉の前まできて、俺もよく見知ったこいつに見られて、のこのこと帰るわけには行かなくなった。


濡れた足を手ぬぐいで拭き、中へと入る。



『おう、いらっしゃい』



部屋に入って直ぐのソファに、寝転がるそいつ。

いたるところを包帯で巻いたその身は、痛々しかった。




『…ったく、また派手にやらかしたな』

『ははっ、悪ぃ…』

『自分で手当てしたのか?』

『いや、メスゴリラにやって貰った。ったく、あいつは手加減なしに巻いてきやがるから痛ぇのなんの…』



志村、妙。



件の最中、ずっと銀時の側にいた。

ずっと…




『土方?』

『…んなこと云って、女に手当てされて嬉しかったんだろうが』

『いや、あいつは女じゃねえ。近いものとしては、戦闘妖精さんだな』



笑いながら云う。



嗚呼、自分の表情が曇っていく。



『……とりあえず座れよ』


ぽん、と自分の隣を叩いて俺を招く。そこにゆっくりと、腰掛けた。



『…なあ、なんかおまえ今日変じゃねえ?なんかあった?』

『別に…なんもねえよ』



顔を覗き込まれ、その言葉と一緒にとっさに視線を逸らす。



『嘘。じゃあなんで眼ぇ逸らすんだよ』

『……』



黙ってしまっては、肯定しているのと同じ意味だ。



『……何で、云わなかった……』

『あ?』

『何で、怪我した時…直ぐ俺に連絡しなかった…』



銀時に会った時には、既に事件は幕を下ろしていて、こいつは既にぼろぼろの状態で。

その時は仕事中だったので、すれ違っただけだった。言葉も交わしちゃいない。


俺が、こんなにも人を心配するなんて、思ってもみなかった。


何も云われなかった、悲しさ。辛さ。


もしも俺がそこにいたら…そんなことを何遍も考えてしまう。




『女々しいと思うだろ…笑えよ。おまえが…女に手当てして貰ったって聞いて……悔しくて仕方なかった。胸が潰れそうだった。なんで、俺にはなにも云わねえんだって…志村姉が…恨めしかった……』



嫌なやつだろ…
そう云って押し黙る。


銀時の視線が刺さる。軽蔑してるか?
そう思うと辛くなった。
この場から逃げてしまいたい。




『…………俺、帰r『俺は』


遮る言葉。

そして、抱き締められた体。


『心配、掛けたくなかったんだ…巻き込みたくもなかった。…あれは、俺の問題だったから…』



「白夜叉」

かつて銀時がそう呼ばれていた頃…それと深い関係があった、この事件。



『あれは、俺の過去だから…その過去に、おまえを巻き込みたくなかった。…でも、結局おまえに心配掛けてたんだな…。ごめん』



ぎゅうっ、とよりいっそう強く抱き締められる。

嗚呼、やっと安堵できた。こいつは生きている。もう、それだけでいい。



『……銀……』

『ん?』

『下のもん、押し付けんな。硬てぇ。』

『おっと!』

『おっとじゃねえよ…ったく…』

『いやいや、こんな可愛い十四郎くんを見て発情しないほうがおかしいから!』

『ばっ!!なんだ可愛いって!!俺は可愛くなんかねっ…んッ、う』



押し付けられた、唇。
そこから無理矢理舌をねじ込んでくる。

絡む互いの舌。
離れるとき、名残惜しげに引く銀糸。

すべてが愛おしく感じる



『なあ、ヤっていい?』

『だっ、から…そう云うことは聞くな!』

『じゃあ、いいんだな?』

『…好きにしろ…』



そう云ったと同時に、ソファに縫いつけられた。
首から胸へと、舌が這っていく感覚が気持ちいい。
着流しの袷を剥かれ、上半身が露わになる。


『っ…ん…』


こいつによって敏感にされた胸の突起に舌が辿り着き、執拗に吸われ舐められ、どんどんと増す快感。

既に下は高ぶり始めていた。



『もうこんなになってんよ?そんなにここ気持ちいい?』

『気持ち…っい…んんっ!』


ぐり、と指で摘まれる。痛いような、快感が俺を襲った。


『ははっ、ここだけでイけるんじゃねえの?』


更に胸への愛撫は強くなる。


『い、や…下……触って……っ』

『下?下じゃあわかんねえよ?ちゃんとどこをどうして欲しいのか、云わねえと』


意地の悪い、赤い瞳。
欲に満ちたその眼差しに、俺は更に欲情した。



『…っれの…ちんこをっ…銀、にぐちゃぐちゃに…されたい…』

『…っ…それ、反則でしょ…っ』


帯も解かれ、完全に素肌を晒した状態にされる。
胸の刺激はもうないのに、俺の高ぶりから滴る先走りはとどまることはない。



『うわっ…エロっ!もうこんなぐちゃぐちゃじゃん』


そう云って、握りこまれ、扱かれる。
突起からの快感より数倍も俺を快楽に溺れさせる。

水音がいやらしい。


『っは…ん…、銀ッ…出る、うぁっ!』


びくんと体が跳ね、そのまま白い欲を銀の手と俺の腹上に放った。
意識の定まらない中、羞恥心が俺を襲う。
瞼に口付けが落とされ、その行為と同時に銀時の指がそこへと這わされた。



『あ、もう柔らかいよ?ひくひくしてる。土方はやらしいなあ』

『云う、なあっ…んァっ!』



直ぐに2本、3本と蕾の中へ指が侵入してくるのがわかった。
先走りと俺の欲を潤滑剤にし、いいところをピンポイントになぶる。


『指、い、やぁ…っ…ん、アッ』

『でも、まだ解しきれて…うぉっ!』

『…んッ…怪我人に…、無理させらんねえからな…』

『え、ちょっ…もしかして、騎乗位?』

『だ、まれ…云うなっ…』


不意を付いて銀時を逆に押し倒す。
下着を脱がせ、そいつの分身を露わにし、解れたそこへと宛てがった。
ゆっくり、腰を下ろす。

肉壁を割って侵入してくるそれは、指とは太さと熱さが比べものにならないほどで。
体中にビリビリと電気が走るような感覚。
甘い溜め息がとめどなくでる。



『ふっ…土方、ん中…あっちい…やば、』

『ん、ふ…ゥ…ッッ…』


漸く根元まで飲み込み、腰を揺さぶり始める。
結合部からの卑猥な音。銀時の表情。それらが俺を更に高ぶらせる。


もっと、もっと…快楽に溺れたい。
そい思うのと比例して、深く注挿を繰り返す。


『やっ、あっ…んッんんっっ』

『土方、エロっ…や、ば、イくっ』


低い呻きと一緒に、俺の腰をがしりと掴み、熱い熱い白濁を中へと放つ。


『あ、つ…んぁァっ!!』



その後、俺も勢い良く精をまき、銀時の胸板へ倒れ込んだ。











それから、浴室で、布団で、何度も事に及んだ。
今は、夜中の12時を過ぎた頃だろう。雨は、既に止んでいるようだった。



『なあ、土方…』

『あ?』


抱き締められた状態で、声をかけられる。



『俺は、おまえ以外眼中にねぇから…その…あんま心配すんな』

『…っ………ああ…』



俺は小さく返事をし、眠りについた。











もしもあいつが俺ならば、なんて。


思わなくても



おまえに変わる奴なんか、世界中探してもぜってえいねえよ。




遠くの意識で、そうあいつの声がした。
















あとがきんちょヽ(゜▽、゜)ノ


いやあ…ね?
言わずもがな、映画影響です。
今日でやっと2回目を見に行けました。
紅桜篇のその後がこんなんだったらいいなあ…的な感じで!あくまでノリで!!wwwww
でも書いてて楽しかったです!

最後までお付き合いして頂き、有難う御座いました\(^0^)/

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