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10 NOvEL 05
元拍手文  傷、創、それは愛。


早朝5時。陽が少し昇りかけた頃

万事屋の風呂場に土方と銀時の姿。



『なんで一緒に入んだよ』

『いいじゃん、仲良く二人で お・風・呂』

『キモ』

『ひどッ!』


いつもの様に夜の交えを終え、一眠りしたあとの朝風呂。
湯船に仲睦まじく二人で浸かっている最中で、銀時が土方を背面で抱きしめる形になっている。




ふと、覆いかぶさるその左肩に目がとまる。
深く深く刻まれた刀傷。土方の付けた傷。



『・・・』


何も云わず、自然とその傷に触れていた。



『・・・まだ、痛んだりするか?』


傷に触れながら銀時に問う


『もう痛まねえよ』


土方の手に銀時の手が重なる


『この傷のお陰で今の俺たちがあるんだ。・・・愛のしるしってやつ?』

『・・・そうだな』


思いもよらない肯定の返事。
一瞬目を丸くして自分の腕におさまっている人を見つめる。
直ぐにその目は優しく微笑み、深く、強く抱きしめる。



『痛ェ』

『うん』

『・・・・銀』

『んー?』


その人の名を呼んだ後、不意に後ろを向き、唇を重ねる。
その唇は徐々に先程の傷へと向かい、それに舌を這わせる。



『土方?』

『・・・俺が付けた傷だ・・・消すなよ?』

『・・・消さねえよ。絶対』



痛みと共に付けられた深い傷。

一生消えない傷。





それは








愛の証。

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