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春を待つ君に
咲き急ぐ幼き蕾(3)


「わかった、わかったから、ね?そんなに泣かないで」
そう言われると、彩吹は涙を拭(ぬぐ)い、何度も頷いてみせた。


すると、大きな影が覆い被さるようにして、開閉を繰り返す小さな入り口にそれを充(あ)てがう。

ぇっ・・・マナ?─────っ!

ヒンと小さく音(ね)を上げて、今までにないほどの大きな痺(しび)れに耐え切れず、身体が大きく仰け反った。
崩れそうになったその手を掴んで、舞菜が自分の首に誘導する。
「もう少し、力抜けそう?・・・っ、息吐いてごらん」
「はぁッ、・・・はぁ、はッ─────
や!入って、くる・・・ぁあ、ンッッ」
震えの波に耐え切れなくなり、堪(たま)らずその首にしがみついた。 みっともなく喘(あえ)ぐその姿を眩しそうな表情で見つめながら、舞菜が一層激しく突いてくる。

「彩吹の顔、ちゃんと見せて」
意識が朦朧(もうろう)とする中、涙ながらに顔を上げると、そっと唇を塞がれた。
その間も、中で絡みつく舞菜のものが奥へ奥へと狭く閉じた壁を押し広げてくのがはっきりとわかる。

「コレ、無理そう?」
「っ、ううん・・・」

痛い。すごく痛い、けど。
絶対に泣いちゃダメだ。
そう決めて、歯を食いしばる。
だって、
ここで泣いたりなんかしたら、二度と触れてくれなくなる。
マナがぼくの身体を気遣って、ずっと我慢してたの、知ってるから。
マナが強く望んでるなら、出来る限りそれに応えてあげたい。

「腰、落とすね・・・」

言葉に合わせて、マナが少しずつ少しずつ、深く沈めてくる。
それと同時に痛みの波が広がってく感覚に、再び全身に力が入った。

「ッ……ああぅっ、はあっ、はあ…っ」
今までで一番大きく身体を震わせて、子犬が鳴く声のような高く甘い声を上げる。

少しでも楽になろうと、小さく息を繰り返すことすらままならない。
痛みに負けて表情が硬くなる一方だ。
それを紛らわせるかのように、身体中へ口付けを落としながら、舞菜が小さなその手を握ってくれる。
うわごとのように名前を繰り返す唇に、何度もキスをくれる。
その優しさに胸が震えて、痛みがほんの少し、和らぐような気がした。



「─────っ、やああぁッ!」
「あった、っ・・・彩吹のイイとこ」
「あっ、これ・・・っ、なんか、変・・・ッ!」
再び深く突き上げられて、身体を仰け反らせて声を上げた途端、ゆるゆると意識を手放していた。

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