春を待つ君に
咲き急ぐ幼き蕾(２)
吐息とともに、熱い感触が敏感な部分に触れて、身体が痺(しび)れたみたいになった。
下腹部に感じる熱い感覚は、それまで触れていた熱い指先とは違って、酷(ひど)く湿(しめ)り気を帯びている。
「そんな、とこ・・・やッ！やぁ、だ・・・ッ」
彩吹は思わず固く膝を閉じた。
その行為も虚しく、膝を押さえつけられ、強引に舞菜の身体が割り込まれた。
股の間に顔を埋めては、逃げ出せないようにしっかりと腰を抱え込む。
「こんな・・・汚っ、い・・・ッ」
「汚くなんてないよ。ほら、こんなに綺麗だ・・・」
先端に息を吹きかけるようにそう囁(ささや)き、顔を覆う手のひらを両脇に縫い止められた。そのまま躊躇(ちゅうちょ)することなく敏感な箇所を押し広げられ、そこを執拗(しつよう)に舐め上げてく。
「あっ、・・・んッ！ダ、メ・・・んッ！
ねっとりとした舌の感触に、思うように身体に力が入らない。
「離し、て！もう、ッ出、る・・・出る、から・・・ッ」
「いいよ、出して。全部出してごらん」
「や、だッ─────！」
瞬間。
先端を咥(くわ)え込んだまま、裏筋を擦(す)られ、中からじわじわと溢(あふ)れ出る透明な蜜を、舞菜が口に含ませていた。
短く浅い呼吸を繰り返しながら、軽い眩暈(めまい)に襲われている彩吹は、その間もひたすらに舞菜を見つめる。
目の前で口元に飛び散った自分のそれを指で拭(ぬぐ)い、ペロリと舐め取っていた。ぼんやりとその様子を見ていると、今度は指先に丹念に唾液を絡ませる姿が目に映し出された。
マナ・・・何して─────
「─────ひゃッ！ん゛〜、っ・・・ぁッ！」
内股(うちまた)に忍び込んできた長い指先が、気づくと敏感な部分を押し広げ、まだ何も知らない純なそこに差し込まれていた。
ガクガクと震え出した足を押さえつけられ、中の襞(ひだ)を一つ一つ丁寧に擦(こす)り上げられてく。その度に、下から波が押し寄せてくるような感覚に襲われ、快感が身体中を駆け抜けた。
「彩吹の中、柔らかくなってきた。ほら・・・聞こえる？」
そう言うと、舞菜はくるくると中を掻(か)き回し始める。恥ずかしさのあまり、彩吹は慌てて顔を背けるも、厭(いや)らしい水音が部屋中に反響した。
「ッ・・・も、ゆっび、いい、から」
「でも気持ち良さそうにヒクついてる・・・ここをこうすると、ほら。どんどん素直になってくよ」
真っ白な頭でぼんやりとサイドテーブルを見つめると、舞菜はすぐに手を止め、その上に立てておいた薬へと手を伸ばす。
「あ、違・・・う」
「無理しなくていい─────彩吹？」
気づいたら両手で目の前に居る彼の裾を、ギュッと握り締めていた。
「欲しい・・・マナのが欲しい。全部、欲しい」
あぁ、何言っちゃってるんだろう・・・。
本当は堪らなく怖いくせに。
何かに取り憑(つ)かれたみたいに、ぼくはひたすら言葉を繰り返した。
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