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オレら停滞期。
人生オワタ。


〜〜〜〜〜〜〜
「おい!」
中でも一際大きく響いた声に飛ばされて、オレの両肩を支えていた手が消えた。再び落ちる感覚に反射的に手を着くが、目の前にあった壁を支えにずるずると落ちてしまう。
〜〜〜〜〜〜〜



あの世へ行ったのかと思いきや、気づくと目の前にまさがいた。

「何れいんだよぉ?」
ろれつが回らないオレにしばらく黙り込んでいたまさが静かに呟く。
「お前がほっつき歩いてるって連絡があった」
「また、女かよ・・・っ」
うな垂れる頭を起こそうとするも、左右に揺れる壁に吐き気が襲ってきて、慌てて口元を押さえた。

「おい、大丈夫かよ」
「触んな!」
心配してるふりをし続けるまさに痺(しび)れを切らして、肩を支えようと伸ばされる手のひらを思いっきり払い除ける。



突然、腕を支えきつく掴まれた。
びっくりして顔を上げた瞬間。
「わっ!」
抱き上げられて、荷物を担ぐみたいにしてオレはまさの肩に担がれた。
「降ろせ、バカ!」
上手くバタつかせることのできない足から乱暴に靴を剥ぎ取られて、玄関に放り投げられた。

「──────っ!」
オレを担いだまま寝室の扉を蹴り開けて、そのままベッドに転がされる。
3日ぶりに寝転ぶシーツの上がひんやりとして寝落ちしそうになる中、脇につかれた両手に囲われた。
重みで深く沈んだベッドがギシと音を立てて、大きな影がオレを覆い被さってくる。唇を塞がれて、有無を言わさず身体を押し付けられてく。

「っ・・・やっ、ん・・・っ」
Tシャツの裾から忍び込んできたまさの長い指先が、直に肌に触れてくる。ビクと無意識に跳ねる身体から逃げ出したくて、オレは何度も頭を横に振った。



「さと、こっち見ろよ」
耳に伝わるまさの優しい言葉にゆっくりと瞼を開くと、見下ろす熱い視線に溶かされそうだ。
次第に目頭に浮かぶ涙が視界を濡らす。

長い間触れられることがなかった入り口は、侵入を拒むかのように狭い。そこに指の腹で繰り返し愛撫を重ねていき、ふっと被さっていた体温が離れた。

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