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小説
オレ領域


はあ………疲れた


力なく荷物を部屋に放り投げ、オレの目の前にはいつも使っているベットがある
枕の横にプリントやら本やら散らかっているが気にしない。


とりあえず…

ボフンッ……


倒れこんだベットの上。のそりと緩慢な動きで布団から顔を上げ、ベット脇のチェストの上の携帯に手を伸ばす

画面は深夜の0時を少し回ったところを示していて、
それを見て深いため息をついた

もはや全身がだるい
鉛のようにベットに沈んだ身体は起きることを拒絶している。

理由は単純。生活のため

イタリアにいた頃はマフィア関係でちょこちょこ仕事をしていたからそこまでお金に困ることは無かったが、今は違う。
ここは並盛、平和な地。真っ当なこと以外で金を稼ぐ方法はない


それにしても、コンビニのバイトというのはとてもメンドくさい
笑顔で接客(実際笑ってねーけど)などイタリアにいた頃の自分だったらありえねぇ!と一刀両断していただろう

自分でマンション選んだから多少の労苦は覚悟していたのだが……やることが多くて諦めそうになる時もあるこの頃だ。


「……風呂」
だるい体にムチ打って風呂に湯を張りにいく


風呂上がったら宿題やって…明日の予習して…あ”、やべ古典のテストがある。

思い出した途端ズシリと重くなる肩

………だりぃ…

ニョオン?

ああ、瓜か。心配してくれてんのか ……って


「テメーが乗ってっから重めーんじゃねーか!降りろコラ!」
「ッシャーー!!」
「るせぇ疲れてんだよ!後にしろ!」
「……ニ”ャ…」

猫のくせに器用に眉間にしわを寄せ、そのままオレのベットへとダイブした

ああクソ…オレもああしてーよ。
ほんとのとこは今すぐ寝てしまいたい心情だがそうもいかない

10代目が学校にいらっしゃる限りはオレも行かなきゃなんねぇ…
テストも何もかも、全力でこなせなくては将来有能なボンゴレ10代目の右腕になどなれはしない。

待ってろ布団。今からマッハでやること終わらせて、そのネコから奪い取ってやる

そう決意して、頭の中でやるべきことを整理する
行動は迅速に、無駄なく。

結局やることやって眠りに就いたのは午前2時。
毎日くたくたになったままこうして寝る
退ける気力も無かったから瓜もそのままだ


「…………寝んぞ…瓜…」
「ニョォ………ン」


パチンと電気を消せば、そこはオレの領域。
毎日を全力で生きろ。諦めず、立ち止まってはいけない。

彼は毎日を真剣に生きる者。
いつかの右腕を夢見つつ…


End.

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