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DRRR!!夢[臨也]
朝・臨也のマンション・雪華視点


「何してんだ?」

 雨の中、傘を差し出してくれた男子高生。染めたような金髪、顔には絆創膏があちこち貼り付けられている。一見、不良のようにも見える。そんな彼が、何故自分に話しかけてきたのだろうか?

「雨に当たってると、風邪ひくぞ?」

 お兄ちゃんと同い年ぐらいだろうか?

「おい、大丈夫か?」

「大丈夫……です」

 本当は、目の前が霞んでいた。意識を保つのに精一杯だった。

「家、どの辺にあんだ?」

「……」

「とりあえずよぉ……交番行くか?」

 返事をするのがめんどくさくて、頷いた。すると、彼は私の手を握ってきた。
 雨で冷えていた私の手とは違い、彼の手は、とても暖かかった。

 その大きな手は、その時の私が失くした何かを、持っていた気がしたんだ。



「ん……ゆ、め?」

 最近、昔の頃の夢を見る。どうしてだろう……?

 それにしても、今朝は暖かいな……。そういえば、折原臨也のベッドを借りたんだっけ。別にソファで寝てもいいんだけどなぁ。でも、これからだんだん寒くなるか……。それならベッドを借りようかな……。

 今日は珍しく、手が温かいな。いつも朝は冷たいのに……。
 手に温もりを感じた。人の温もりを。
 …………?

 人の……?

 しかも、手だけじゃない。身体全体にも感じる。まるで、抱きつかれているような……

「…………」

 目をうっすらと開けてみる。……よし、目の前にはいない。
 次に手に触れてる感触を確認。

 ……人の……手…………。

 …………嫌な予感。
 私が握っていた手は、うしろから回されている。……うん、間違いないだろう。これは確実に、アイツの手だ。

 私は握っていた手の甲を思いっきり抓った。

「起きろ、変態情報屋ぁ!!」

「いーーーたい!!痛い痛い、痛いよ!!ちょ、ま、タンマ!!ストップ!!痛い!!」

「そりゃあ、抓ってるもの。痛いでしょうね」

「さらっと言わないでよ!!本当に痛いから。何を謝ればいいの!?」

「こ、この状況を見て、わからないの!!?」




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あきゅろす。
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