……うざい。聞いててうざい。見ててうざい。存在がうざい。このチンピラ達の全てがうざくてうざくてしょうがない。
どうしてこんなクズが生きているのだろう……。こいつらが生きているだけで、同じ空気を吸っているだけで、気持ち悪い。吐き気がする。
いい加減、私の前から―――
「消え失せろ」
「……ハァ?」
「聞こえなかったの?私は消え失せろ、って言ったの」
そう言った瞬間、チンピラ達の纏っていた空気が変わった。下心丸見えだった顔が、急に怒りに満ち始めた。
「……何行っちゃってんのぉ?生意気なんだけどぉ」
「所詮ガキってことだろぉ?」
「喋るな、気持ち悪い」
「……ちょぉぉぉっとそれは言いすぎじゃない?俺ら君より年上だよ?」
「敬意ってモンが感じられないよぉ?」
「もしかして、これがゆとりの弊害ってヤツ?」
敬意を払う相手でもなければ、ゆとりの弊害でもない。見た目が終わってるなら中身も終わってる、ということか……。
「じゃあ俺らがきっちり教えてあげるよ……」
「喋るな、って言っただろこのクズが」
「あ゛ぁ!?んだとぉ?」
「調子に乗りやがって……」
あ、ヤバい?まさか、こんな安い挑発に乗るなんて……。思った以上にクズだなぁ。んー、めんどい。こういうにんげんが一番嫌いなんだよなぁ。どうしよう?
私は生憎、合気道とか空手とか、護身術を身につけていない。1対1ならなんとかあるかもしれないけど、1対3はさすがに無理だ。
ここで折原臨也を呼ぶのは癪だし、平和島静雄は近くにいないだろう。セルティさんも近くにいないだろうし……。