DRRR!!夢[臨也] 昼・池袋某所・雪華視点 困ったなぁ……。ほんとに困った。まさか、大男数人が女の子を取り囲んでナンパするなんて……。 あれ?もしかして、これナンパじゃないかな?それはそれで嫌だなぁ……。 今、私はチンピラ達に取り囲まれている。しかも路地裏。……うーん、近道するんじゃなかった。 「ね?ちょっとさっきから聞いてるぅ〜?」 「ほんと、少しだけでいいからさぁ、俺らと気持ちいいことしない?」 「もしかして彼氏とかいちゃったりする?」 「うぉっ、マジすか!?」 「大丈夫だって〜、彼氏には内緒にしとくし、そっちも内緒にしてくれるよね?」 「うへぇ、お主も悪よのぅ……!!」 「ッハッハッハッハ!!!」 狭い路地裏に汚い笑い声が反響する。 ……うざい。聞いててうざい。見ててうざい。存在がうざい。このチンピラ達の全てがうざくてうざくてしょうがない。 どうしてこんなクズが生きているのだろう……。こいつらが生きているだけで、同じ空気を吸っているだけで、気持ち悪い。吐き気がする。 いい加減、私の前から――― 「消え失せろ」 「……ハァ?」 「聞こえなかったの?私は消え失せろ、って言ったの」 そう言った瞬間、チンピラ達の纏っていた空気が変わった。下心丸見えだった顔が、急に怒りに満ち始めた。 「……何行っちゃってんのぉ?生意気なんだけどぉ」 「所詮ガキってことだろぉ?」 「喋るな、気持ち悪い」 「……ちょぉぉぉっとそれは言いすぎじゃない?俺ら君より年上だよ?」 「敬意ってモンが感じられないよぉ?」 「もしかして、これがゆとりの弊害ってヤツ?」 敬意を払う相手でもなければ、ゆとりの弊害でもない。見た目が終わってるなら中身も終わってる、ということか……。 「じゃあ俺らがきっちり教えてあげるよ……」 |