「べつに貴方の為じゃないし。セルティさんが手を下す必要はないと思っただけ。勘違いしないで」
「はぁ……それを照れながら言えば、所謂ツンデレなんだろうなぁ……」
「何か言った?」
「いや。なんでもないよ。君の無表情っぷりを見て可愛いげがないなぁ、って思っただけ」
「しねばいいのに」
「真顔で言わないでよ……」
「しねばいいのに」
「二回言った!?」
「大切なことなので二回言いました」
「それ、全然大切じゃないよね?」
「うん、割とどうでもいい」
「なんか、それはそれで酷いような……」
「うるさい」
「……」
あ、折原臨也が拗ねた。パソコンの前の椅子に体育座りしてる。何かとめんどくさい情報屋だなぁ……。
それにしても、まさかセルティさんがにんげんじゃなかったなんて……。
たしかに、体から『影』を出している時点でにんげん離れしていたけど。ちょっと楽しくなってきたかも……♪
そんなことを思ってると、不意に折原臨也に話しかけられた。
「雪華ー」
「何?」
「楽しそうだね」
「何が?」
「笑ってるよ」
「!!!?」
しまった……!!さっきのことを思い出していたら、いつの間にか顔が綻んでいたようだ。そっぽを向いて、元に戻そうと顔に手をあてる。