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無双☆短編
valuable(幸村がほとんど出て来ない幸陸)
大切で大好きな貴方にいつか伝えられたら…
 
 
 
valuable
 
 
 
「なるほどね〜♪りっくん、恋してるんだね〜」
 
そこは小喬の部屋。
かわいらしいピンクと赤で女の子らしい。
 
「んで?相手はだあれ?」
 
小喬が寝台に腰掛け、楽しそうに聞いた。
小喬の恋バナ相手は、もちろん陸遜である。
 
今回は陸遜から小喬に相談しに来たらしい。
何故か床に正座。そして膝には小喬に持たされたのかテディベア。
「実は…幸村殿なんです」
 
陸遜が恥ずかしそうに言う。
 
「って…えええ!?ゆっきーなの??」
 
小喬が目を丸くする。
そんな小喬を見て、ますます陸遜は恥ずかしそうにした。
「いつから??どんなトコが好きなの?」
「えーと…いつからかは忘れちゃいました。いつも趙雲殿といるところを見てたんです。それで爽やかでいいなぁ〜って」
 
「へぇ〜。りっくんが好きなのは趙雲かと思ってたのに〜。でも話したことないんでしょ?」
「…はい」
陸遜がテディベアをいじりながら俯き加減で言った。
「今度あったら話し掛けてみれば?」
小喬が言う。
「でも…幸村殿は私のこと知らない訳ですし…」
不安そうに陸遜が苦笑した。
「いーじゃん、これから知ってもらえば♪りっくんならすぐに仲良くなれるよぉ〜!頑張ってね♪」
 
 
 
 
――頑張って…と言われても…
 
陸遜は立ち止まっていた。
頭の中には小喬との会話が思い出される。
 
幸村に会ったら、話し掛けられるきっかけが有れば良いのだが。
 
すると…
 
大好きな幸村が珍しく一人で歩いているのを見つけた。
 
チャンスだ…話し掛けなくては…。
 
「幸村どっ――の?!」
 
焦り過ぎた陸遜は、自らの足につまずき、虚しく幸村の足元に倒れ込んだ。
 
 
私の馬鹿ッ!!
 
恥ずかしいくて顔が上げられず突っ伏したまま陸遜は自分を責める。
突然目の前に転がってきた陸遜に驚き、暫く無言だった幸村は突然笑い出した。
 
「………へ?」
 
陸遜は草が付いたままの顔を上げ、幸村を見上げた。
 
綺麗で爽やかな笑顔。
心の底から美しいと思った。
 
 
幸村は笑顔のまま、陸遜に手を差し出した。
「立てますか?」
 
陸遜は嬉しくて、赤くなりながら幸村の手を握った。
 
 
 
 
 
 
 
 
これからどんどん仲良くなれたら良いのに…
 
 
 
 
 
 
 
           −end−

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