小説 フェアリー隊
1
重盛達が出発して1時間後。
リョウスケ率いるアドラー隊は首都周辺の警戒任務に当たっていた。
「隊長、暇ですね〜」
「そんな事を口にするな。」
隊長もぼやきに応えながら考える。
確かに首都防空は基本中の基本なのだが、何故フェアリー隊がそのローテーションに組まれているのだ?
即在の部隊があり、フェアリーが居なくてはならない理由などない。
「隊長、そろそろポイントです」
二番機のルキから指示が出る。
ポイントとは、首都を中心に四角形の飛行ルートが組まれている。
今がその1つ目だ。
「よし、方位135に転針する。」
ダイヤモンド編隊が綺麗に転針する。
っと、その時
「レーダーに感!」
ルキの声が響く。
「ちょっと待てよ!こんな空域で?!」
トムが騒ぐ。
確かに首都の目と鼻の先。
そんな場所に…
「かなり早い。第一防衛ラインまで300!」
「首都防衛に通達!俺達で相手をする」
こういう場合、考えていても仕方がない。
「司令部より返信。貴隊に対応を任せる」
「んなアホな!」
これがフェアリー隊の力…?
基地指令より上の判断が与えられるのか…
「了解した。念のため、スクランブルを!!」
「了解。」
方位105に転針。速度を上げる。
「戦闘データリンクを開始」
上空へウォルトの機体が上がる。
最新鋭の機体であるウォルトの機体、F-22Aはステルス機だ。
上空からの監視、又は強襲には打って付けの機体である。
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