[携帯モード] [URL送信]

小説 フェアリー隊


実は優友と欣子は良き相談者だった。

仕事の悩みから恋の悩みまで。
よく話し込んでは、その度に寝坊しかけていた。

「なぁ、欣子」

「…なぁに?」

少し間があって返事が返ってくる。

「あれから…どうだったんだ?」

あれから、とは自分達が抜けてからのこと。

「言わずとも大変だったわよ。技術屋の私たちまで疑いの目が向いてきて。
まぁ、上手く国王が根回ししたんでしょうね。少しの停職と降格処分で済んだわ。」

「…そっか。」

暫しの沈黙。

「ごめんね」

先に口を開いたのは欣子だった。

「謝ることじゃないさ。
…誰のせいでもない」

二人に不思議な空気が流れる。

「…うん」

「はぁ…別に付き合ってたわけじゃないってのに、どうしたんだよ?」

そう言って、頭を軽く撫でてやる。

「………」

ポンポン、と撫でるのをやめ、車を静かに止める。

「俺も黙って消えちまった。お互い様だよ」

車は本部に着いていた。

「…うん。ありがとう」

そういって欣子は車から降りていった。


[*前へ][次へ#]
[戻る]


あきゅろす。
[小説ナビ|小説大賞]
無料HPエムペ!