小説 フェアリー隊 2 実は優友と欣子は良き相談者だった。 仕事の悩みから恋の悩みまで。 よく話し込んでは、その度に寝坊しかけていた。 「なぁ、欣子」 「…なぁに?」 少し間があって返事が返ってくる。 「あれから…どうだったんだ?」 あれから、とは自分達が抜けてからのこと。 「言わずとも大変だったわよ。技術屋の私たちまで疑いの目が向いてきて。 まぁ、上手く国王が根回ししたんでしょうね。少しの停職と降格処分で済んだわ。」 「…そっか。」 暫しの沈黙。 「ごめんね」 先に口を開いたのは欣子だった。 「謝ることじゃないさ。 …誰のせいでもない」 二人に不思議な空気が流れる。 「…うん」 「はぁ…別に付き合ってたわけじゃないってのに、どうしたんだよ?」 そう言って、頭を軽く撫でてやる。 「………」 ポンポン、と撫でるのをやめ、車を静かに止める。 「俺も黙って消えちまった。お互い様だよ」 車は本部に着いていた。 「…うん。ありがとう」 そういって欣子は車から降りていった。 [*前へ][次へ#] [戻る] |